- 作者: 仲村清司
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/01/30
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「ようこそいらっしゃいました」の意味の「メンソーレ」は日本文に当てはめると「参り候え」となり、内地の中世期のいわゆる候言葉が変化したものだといわれている。
中世期、かつての琉球はアジアをまたにかけて華々しい大交易を展開した商業国家であったが、時代が下るとともに本来的な商売観まですっかり失ってしまったかのようである。いずれいしてもいまの沖縄の人々は無垢という言葉が当てはまるほどにお人好しすぎる。いうまでもなく、お人好しはつけこまれやすい。困ったことに、そのことを裏付けるように、沖縄は悪徳商法にひっかかる人が多いのである。
商売は激しい競争心をあおるがゆえに、ときに周囲との摩擦を招く。小さな島社会という環境で生きていくためには、内的にも外的にもその摩擦のタネを排除しなければならない。たけだけしい大国に翻弄され続けながらも、この島の人々が優しさを失わずに今日まで生き延びてこられたのは、もしかするとそのあたりに理由があるのかもしれない。
感想
沖縄計画、第4弾。今の沖縄の人の気質や文化について。細かい部分から突っ込んでいくよりも、まずはこういう大枠から進めていくのがいいな。豆知識的な色々な情報を得ることができた。
沖縄の男性の自殺率が高いのは知っていたけど、それより前はもっと低かったってのは初めて知った。戦争直後に自殺者が出なかったってのは本当なのかねえ。事実だとしたら凄すぎる。そういう苦しい時代を潜り抜けてきたのに。現代はそこまで追い込まれているんだなあ。そんな中でも、やっぱり女性ってのは強いね。