40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

【番外編】2023年の振り返り 読書まとめ

2023年の読書を振り返る。去年79冊読んだのに対して、今年は77冊読んだ。読書時間は去年352hに対し、今年は335h。大体去年と同じくらいで、無理なく楽しく読書をすることが出来た。 ゲンロン関係とその派生で12冊、勢古さんとその派生で13冊。去年に引き続き…

【番外編】2023年の振り返り 旅行まとめ

天橋立にて 今年は5月と10月に長期カブ旅を実施。 5月のカブ旅は来年の日本一周を見据えての予習回。ひとまず予定を入れた東京を目指し、興が乗ればそのまま日本一周を敢行してもいいと最初は思っていたんだけど。5月はまだまだ寒すぎて過酷だった。6月にな…

訂正可能性の哲学

訂正可能性の哲学 ゲンロン叢書 作者:東浩紀 株式会社ゲンロン Amazon ぼくが重視したい「小さな社会」における対話は、必ずしも理性的で倫理的なものではない。私的で、価値転倒的で、ときに反社会的ですらありうるような雑多な言葉たちである。「小さな社…

小右記

小右記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫) 作者:藤原 実資 KADOKAWA Amazon はじめに平安時代というのは、ともすれば『源氏物語』に代表される文学作品を基にして考える傾向が強かった。平安貴族が実際に恋愛と遊宴にばかり熱中してい…

古田織部の正体

古田織部の正体 (角川ソフィア文庫) 作者:矢部 良明 KADOKAWA Amazon 宗二・利休・織部の三人ほど、桃山茶の湯の展開をそのままに象徴する人物はほかにはあるまい。具体的に言うと、山上宗二は室町時代の唐物絶対主義の茶の湯の信奉者であり、利休は室町時代…

民芸とは何か

民藝とは何か (講談社学術文庫) 作者:柳 宗悦 講談社 Amazon なぜ特別な品物よりかえって普通の品物にかくも豊かな美が現れてくるか。それは一つに作る折の心の状態の差異によると云わねばなりません。前者の有想よりも後者の無想が、より清い境地にあるから…

日本文化の核心

日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く (講談社現代新書) 作者:松岡正剛 講談社 Amazon 日本文化の正体は必ずや「変化するもの」にあります。神や仏にあるわけでも、和歌や国学にあるわけでもありません。それはたいてい「おもかげ」や「うつろい…

もののふ戦記

もののふ戦記―小者・半助の戦い (時代小説文庫) 作者:卓, 長谷川 角川春樹事務所 Amazon 感想 勢古さんの本「それでも読書はやめられない」で、時代小説部門でお勧めされていた一冊。 帚木さんの、庶民を描く時代小説は面白かった。本書はそれと同じく、合戦…

老子

老子 (岩波文庫) 作者:蜂屋 邦夫 岩波書店 Amazon あとがき世界史上もっともよく読まれた書物は、西では『聖書』、東では『論語』であろう。二番目となるとむずかしい。ただ、西ではどうだか知らないが、東では『老子』ではあるまいか。中国の知識階級の人々…

禅と日本文化 対訳

対訳 禅と日本文化 - Zen and Japanese Culture 作者:鈴木 大拙 講談社インターナショナル Amazon 禅の鍛錬法。それは真理がどんなものであろうと、身をもって体験することであり、知的作用や体系的な学説に訴えぬということである。禅のモットーは「言葉に…

宮本武蔵 「兵法の道」を生きる

宮本武蔵-「兵法の道」を生きる (岩波新書) 作者:魚住 孝至 岩波書店 Amazon 武蔵の義父と目される「兵法者無二」は、豊後(大分)の日出3万石の藩主・木下延俊(秀吉の正室・高台院の甥)に近侍していた。 武蔵は、関ヶ原の戦いの時には豊後での合戦と城攻…

現代ゲーム全史 文明の遊戯史観から

現代ゲーム全史 文明の遊戯史観から 作者:中川大地 PLANETS Amazon ゲームとテクノロジーはいずれも、目下の現実世界では不可能なヒトの願望を、人為的な工夫によって一時的ないし恒常的に実現していこうとする営みだからである。これが資本主義経済下で産業…

新訳 茶の本

新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想 (角川ソフィア文庫) 作者:岡倉 天心,大久保 喬樹 KADOKAWA Amazon 茶人こそは本物のユーモアの達人。茶にはワインのような傲慢さも、コーヒーのような自意識も、ココアのような間の抜けた幼稚さもない。 天心は、西洋とく…

【番外編】2022年の振り返り 資産まとめ

2022年の資産状況をまとめてみた。 資産割合(昨年割合) 現預金 47.0% (48.9%) 日本株 3.3% (3.5%) 外国株 25.5% (23.5%) 外国債券 13.5% (13.7%) 年金 10.6% (10.2%) 市場は軟調だったし、さすがに投資収益はマイナス。アメリカ株市場は4年ぶり…

【番外編】2022年の振り返り 読書まとめ2

去年は過去まとめの総まとめを実施した。読書記録についてもまとめを行ない、集計してみた。本格的な読書記録を取り始めた2007年からスタート。 読書本をざっくり6つのカテゴリーに分けて分類したのが下の表。 こんなざっくりとしたカテゴリー分けだけからで…

【番外編】2022年の振り返り 読書まとめ1

2022年の読書を振り返る。去年139冊読んだのに対して、今年は79冊読んだ(43%減)。読書時間は去年623hに対し、今年は352h(43%減)。大幅減ではあるけれど、これは去年が異常に多かっただけ。歴代でみれば3番目の多さ。アリリタ生活3年目にしてようやく日々…

【番外編】2022年の振り返り 旅行まとめ

対馬・城山(金田城跡)頂上より 前々から行きたいと思っていた対馬・壱岐。帚木さんの本「襲来」を読み、その勢いに乗って訪問。ここは韓国からの訪問客が多い場所なんだけど、コロナ下で渡航が制限されている今、行っておく方がスムーズだろう、ってのもあ…

戦国武将、虚像と実像

戦国武将、虚像と実像 (角川新書) 作者:呉座 勇一 KADOKAWA Amazon 「悪名は無名に勝る」という言葉があるが、明治期の信長は、悪役的な人気すらなかったのである。織田信長が大英雄として脚光を浴びるきっかけを作ったのは、徳富蘇峰の『近世日本国民史』(…

日日是好日

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ― (新潮文庫) 作者:森下典子 新潮社 Amazon 私たちは、ますますわからなくなるお点前を繰り返しながら、和菓子を食べ、道具に触り、花を眺め、掛け軸から吹いてくる風や水を感じた。今という季節を、視覚、…

徒然草

新版 徒然草 現代語訳付き (角川ソフィア文庫) 作者:兼好法師 KADOKAWA Amazon 第38段名誉欲と利欲とに酷使されて、心静かに過ごす暇もなく、一生を苦しんで終わるのは愚かなことである。あらゆることはみな正体がなく空虚なものである。論ずるに足りないし…

おくのほそ道(全)

おくのほそ道(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス) KADOKAWA Amazon 『おくのほそ道』の旅費ゆうに百万円を越す高額と推測され、とても乞食行脚などという貧乏旅行ではなかった。実際、金払いはよく、馬に…

芸術起業論

芸術起業論 (幻冬舎文庫) 作者:村上隆 幻冬舎 Amazon 欧米の芸術の世界は、確固たる不文律が存在しており、ガチガチに整備されております。そのルールに沿わない作品は「評価の対象外」となり、芸術とは受けとめられません。知的な「しかけ」や「ゲーム」を…

監視資本主義

監視資本主義―人類の未来を賭けた闘い 作者:ショシャナ・ズボフ 東洋経済新報社 Amazon 個人情報の供給ルートアンドロイド携帯、グーグル検索、Gメール、グーグルペイ、ユーチューブ、グーグルマップ、グーグルフォト 知識はわたしたちを自由にするのではな…

史上最強の哲学入門

史上最強の哲学入門 作者:飲茶 河出書房新社 Amazon 第一ラウンド 真理の『真理』1.プロタゴラス(紀元前485-410) 相対主義2.ソクラテス(紀元前469-399) 無知の知 →無知を自覚してこそ「真理を知りたいと願う熱い気持ち」がわき起こる3.デカルト(1…

最澄と徳一

最澄と徳一 仏教史上最大の対決 (岩波新書) 作者:師 茂樹 岩波書店 Amazon 日本仏教を形作った「共許」最澄は、どれか一つの宗だけがあればよい、という考えではなく、三論宗と法相宗、あるいは南都六宗のような、考え方が異なる複数の宗が並立しているから…

科学するブッダ

科学するブッダ 犀の角たち (角川ソフィア文庫) 作者:佐々木 閑 KADOKAWA Amazon 感想 2016年のベストスゴ本に選出された本。チェックしてから長いこと放置されていた本書だけど、遂に読む機会を得ることが出来た。そして、とても面白い本だった!スゴ本はち…

「縮み」志向の日本人

「縮み」志向の日本人 (講談社学術文庫) 作者:李 御寧 講談社 Amazon 真に日本的なものを発見するためには、欧米の眼ばかりでなく、言語、風俗、文化などが酷似しており、またむかし日本文化にも大きな影響を与えた韓国の眼をこそ通すべき。ルイス・フロイス…

お洒落極道・最終編

お洒落極道・最終編 作者:島地勝彦 小学館 Amazon わたしはキャンドルの光をみていると原始人に戻るような気がしてならない。部屋全体の電灯の明かりを調光器で落として、リモコンで一斉にキャンドルを点けると、原始人の洞窟のような雰囲気になって、こころ…

反穀物の人類史

反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー 作者:ジェームズ・C・スコット みすず書房 Amazon ほぼすべての古典的国家が雑穀を含めた穀物を基礎としていたということは、まさに衝撃的だ。歴史はキャッサバ国家を記録していないし、イモ国家もない。これ…

読書について

読書について 作者:小林 秀雄 中央公論新社 Amazon 鑑賞家に二つの誘惑がやって来ます。一つは批評の誘惑です。なまじっか意見がある為に広くものを味わう心が衰弱してしまうのです。意見に準じて全てを観賞しようとして知らず知らずのうちに、自分の意見に…