- 作者: アマンダ・リプリー,岡真知子
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/12/17
- メディア: 単行本
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恐怖反応を扱うのに簡単な方法がある。もっとも意外な戦術の一つは呼吸である。警察官に教える一つの型は次のようになっている。4つ数える間に息を吸い込み、4つ数える間息を止め、4つ数える間にそれを吐き出し、4つ数える間息を止める。また最初から始める。それだけだ。
災害が降りかかるのは個人ではなく、集団である。災害の犠牲者は、望もうと望むまいと、集団の一員である。そして人は皆、集団でいると、一人でいるときとは違う行動をとる。災害時には、他人はもはや他人ではなくなる。災害そのものが人々の間にまたたく間に絆をつくりだす。
感想
スゴ本オフで紹介されていた本。命に関わるような危機的状況に直面する可能性は低いと思うし、この本を読んだだけで実際に活かせるかというとそれも疑問ではある。でも、知らないよりは知っていた方がいいだろうと思って読んでみた。可能性は低いとは言っても、長い人生の中で一度もない、ってことはないだろうからね。既に、阪神淡路大震災は経験しているわけだし。
人は常に理性的なわけではなく、リスク判断を間違えやすいってのは、これまでにも行動経済学関連の本を読んできて知っていた。目立つ情報に振り回されずに冷静に行動したいってのは常々思っていることなんだけど、それが緊急時においても発揮できるかどうか。若干の不安はあるけれど、自分に期待したいところだな。回復力はそれなりに持っていると思っているんだけどな。
ちょっと怖いのは、人は災害時に個人で行動するのではなく、集団の一員として行動するってこと。自分の決定での不利益ならば納得もできるけど、集団のリーダーの愚かさの巻き添えになるのは勘弁してほしい。そういった場面で行動できるようでありたいなあ。
たいていの状況においてパニックが起きることはないってのは、なるほどな、と。他にも、災害時に人が陥る心理状態について知る事が出来、かなり参考になった。リスクを見極め、準備していきたい。
現状、僕が最も可能性が高いと思っている危機は、災害よりも、経済的な環境についてなんだけどね。