- 作者: 加藤陽子
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2009/07/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 31人 クリック: 501回
- この商品を含むブログ (215件) を見る
感想
日清戦争から太平洋戦争までの日本の戦争史について扱った本。その背景を詳しく扱っていく。結構話題になっていた本で、僕も2月には購入していたんだけど、図書館本を優先して読んでいたため、ようやく読みきることができた。その間に、戦争史についての本を色々と読んだため、新たな情報という点では収穫は少なかったかな。でも他の本とは違う視点から扱っている部分も多かったため、面白く読むことができた。
「歴史に学ぶ」ってよく言われるけれど、あれって本当のところどれほどの効果があるんだろう。歴史には膨大な蓄積があるわけだから、ある状況において下す異なる選択、そのどちらにも成功例もあれば失敗例もあるんじゃないかな。歴史を基に判断をしようという人間は、結局その時点で自分が選ぼうと思っている選択に好都合な歴史を選択することができる。それって、歴史に学んでいるんじゃなくて、歴史にかこつけて自説を補強しているだけだよな。歴史は将来の指針となることはできない。似たような状況がない、新規な局面ってのもあるだろうし。まあ、普遍の真理というか、大原則くらいならば学ぶことができるんだろうけど。
あらゆる状況において自分の判断基準とし得る絶対の柱、信念。歴史に限らずあらゆるものから学び、そういう確固たる自分を築き上げていきたいなあ。加えて、その信念に凝り固まることなく、いつでも必要があれば勇気を持って変更できる、柔軟性ってのも持っておきたいなあ。難しいことだってのは分かってるけど。