40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

新ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論 3

新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論〈3〉

新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論〈3〉

「集団自決」というものが、あまりにも常軌を逸した行為としか戦後の者の目には映らないので、その行為を強制した「犯人」がいるはずだと、人々は思い込む。遺族への「年金」保障も絡んでいる。かくして「犯人」捜しでは「日本軍の命令」が一番、都合が良く、証言者は、そのセンで証言を強制される。「集団自決」が住民自らの決断であった場合、今度は決断の主体になった人物が「犯人」として糾弾されるようになるのは、正しいのだろうか?

日本は敗れた・・・だが、大東亜戦争の緒戦の日本の勝利は既に白人全能という神話を永久に打ち壊しており、東南アジアの植民地は次々に独立を勝ち取っていった!

「私」を超える価値があって、信仰も生まれる。道徳も倫理も生まれる。特攻隊の若者たちは、道理を貫き、徳を行なおうとする。彼らは「国」を守ることによって、道徳的にふるまうことができると確信していたのだ。その「国」とは何か?それは「政府」でもなければ、「領土」でもなく、「領土に住む人々」でもない。「国民の生命・財産」でもなく、「自由と民主主義」なんてものではもちろんないのだ。日本人が守るべきもの、それは・・・伝統である。
「生は伝統の中にある。人間の伝統、民族の伝統、学校の伝統等・・・。・・・然し生の偉大さは国へのつながりにあると言ってよい。生の発展ではなく継承にあるのだ。生きている。その事は論理や主義に遊んじているには余りにも烈しい祈りであり、詩であり、慟哭であり、そして決意であるのだ。詩うこと、祈ることは常に批判を超克している。成果がなければ凡てが無駄であると論ずる者は人の美しさ、日本の伝統を知り得ぬ者であろう。」 ― 特攻隊・高久健一

アメリカにはステート(政府)はあるが、ネーション、歴史に基づく国民がいない!アメリカの国民は、「自由」「民主」「人権」などの人工観念で、できている!イデオロギーでできた人格を持つ民、それがアメリカ人なのだ。彼らに道徳はなかった。歴史なき民に道徳が自覚されることはない。彼らには、イデオロギーしか、自覚されなかったのである。
日本は自然に歴史を積み重ねるうちに、暗黙のルール・慣習を育んできた国である。人工的なイデオロギーで、昨日、今日、こしらえた国ではない。道徳は歴史の積み重ねの中で、他者との関わり方の善悪を判断する基準・規範として、我々の言葉や美意識の中に宿っている。日本が道徳を取り戻し、国際社会で名誉ある地位を占めるためには、我々が「伝統を受継した国民」にならねばならない。


感想
戦争論」の完結編。このシリーズに限らず日本近代史についての本を読んできて、今まで知らなかった知識や考え方を吸収し、自分の意見や立ち位置というものも定まってきたように思う。過去を「古いもの・つまらないもの・不要なもの」として封印・拒絶するのではなく、良いものも悪いものも含め、日本人が過去から積み上げてきた歴史・伝統を大切にしていきたい。
集団自決についての話もそうだけど、人の主張や行動には、様々な裏や事情がある。分かっていてもあえてそう行動せざるをえないこともある。それぞれの立ち位置が違うので、両者がぶつかりあうのも仕方ない。それを当然起こることとして受け入れ、その上で、最善の道を探っていきたい。人の話を全面的・盲目的に受け入れるのではなく、別の立場からの見方・感じ方があるんだ、ということを念頭に置き、一方の側に極端に走らず、バランスのとれた思考ができるようにしたい。