40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

新ゴーマニズム宣言SPECIAL沖縄論

新ゴーマニズム宣言SPECIAL 沖縄論

新ゴーマニズム宣言SPECIAL 沖縄論

中国は沖縄を「潜在的中国領」と考えている。もちろんそれは琉球がシナの皇帝に冊封されていたからだ。そしてその時代の沖縄は今よりずっと輝いていた。我々は、沖縄のことを、日本国の成員だと胸を張って主張できるほど、親身になって考えてきたか?「明」王朝よりも沖縄を輝かせる責任が日本にはあるのではないか?

果たして沖縄のオリジナリティーは「琉球」だろうか?今に伝わる沖縄の芸能や文化は、1609年の薩摩の琉球入り後に創作され発展したものが多い。三線という楽器が、シナから沖縄に入ってきたのは尚真王時代(1477〜1526年)以後のことである。この三線と、和歌の影響で創作された琉歌が結びついて、沖縄独特の三線音楽が出来上がるのだが、この基礎を確立したのは湛水親方(1623〜83年)である。

むしろわしが驚くのは、あれほどシナとの朝貢貿易を続けながら、沖縄にはついに、仏教が根付かなかったことだ。日本本土では、仏教の伝来によって、それまで信仰されていた宗教が「神道」として対抗せざると得なくなった。仏教が「神道」を生んだのである。だが沖縄には、「漢心」が、そもそも入ってこなかったのだ!したがって沖縄には民族・宗教・言語などにおいて、古代大和の要素が色濃く残っている。沖縄のアイデンティティーとは、「ウタキ」であり、ニライカナイ信仰であり、今も「ノロ」や「ユタ」が継承している原初的な宗教感覚なのだ!あえて極論すれば、沖縄こそが純粋な日本であり、近代化された本土は、不純な日本である。

多くの国民が日米同盟さえあればと思うのなら、それを一身に引き受けて苦悩している沖縄について知らなければならない。その上で、日本国民とは何か、同胞である沖縄県民への真摯な姿勢とはどうあるべきかを、わしは自分自身を含む本土の者に問いたい。


感想
小林よしのり氏が書いた本だからってことで、タイトルもあまり気にせず読んだ本だったんだけど、沖縄について本当に多くのことが分かった。著者が指摘するとおり、僕も沖縄について「無知・無頓着・鈍感」だったなあ。「新米保守派は非情な合理性(国防のために沖縄を犠牲にせよ)を隠すために沖縄に対する無関心を決め込んでいるのだろう。」って指摘には、ちょっとドキッとさせられるよな。この問題に限らず、「臭いものに蓋」って感じに思考停止して目を背ける人間にはなりたくない。「見たいものしか見ない」人間にはなりたくない。どんなものにも目を背けず正々堂々ぶつかり、しっかり考え、自分なりの結論を出していきたい。
今また世の中は、尖閣諸島問題、北方四島問題等により日本の安全保障について注目が集まっており、沖縄の普天間にも注目が集まっている。この本が刊行されてから5年以上経っており、周りの状況も色々と変化していると思うけど、今現在著者はどのように考えているのかなあ。まだ過去に発表された本も読み切っていないんで、早いとこ追いつきたい。SAPIOも読んでみたいな。
沖縄には一度行ってみたいと思っていたんだけど、その気持ちがこの本を読んで、より高まった。「いつか」などと先延ばしにせず、しっかり計画していかないとなあ。