- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2007/02/01
- メディア: 単行本
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(郁の母親について)
兄「あの人お嬢さん育ちでちょっと浮き世から解離してるところあるじゃん。女の子を無事に育てるには女の子らしく育てるしかないって視野狭窄に入っちゃったんだろうな。」
「結局な、うちの家族の中であの人は一番子供なんだよ。『何であたしの思い通りにならないの、キーッ!』みたいなとこは絶対あるしな。思い通りに圧迫しようとすることは子供たちの全員に対してあったよ。」
郁「えーとつまり、・・・愛情とエゴを区別しようとしてもできないのがうちのお母さんのキャラってこと?」
感想
酔っ払いにスポーツドリンクは駄目ってのは初めて知った。これまで、飲み会後に喉が渇いてスポーツドリンクを飲んだことは何度もあったけど、特に何でもなかったけどなあ。まあ、そこまで飲み過ぎてはいなかったけどさ。今後は気をつけよう。
郁の母親について、兄と会話するシーン。うちの母親にも通じる部分があって笑ってしまった。うちも、母親抜きの家族会議、したなあ。
もしかして、母親ってのはそういうものなのか?母親の中には「理想」があり、子供の頃はそれを強制された。子供の頃はそれが当たり前だったので反発することはなかったけど、だんだんと現実を知り、ギャップを知り、離れていった。今では、「子供をきちんと育てなくては」という責任感がそうさせたって理解しているけれど、だからといってその理想を受け入れるつもりはない。やっぱり、親子とはいえ別個の存在であり、僕は僕の考えに基づいて行動しているんだから。
もちろん、こう言っているのは一部の世界理解・人間理解についてだけ。全面的に対立しているわけではない。実家には頻繁に帰っているし、仲良くもしている。対立部分には触れないようにして。どんなに近しい存在でも、分かり合えないことはある。どんなに話し合ったって。それは当然のことであり、嘆くことではない。そういう部分もありつつ、どうやって折り合いをつけていくか。そこが大事なんだと思う。「話し合えば分かり合える」って思っている人とは折り合えないだろうけどね。
郁が、水戸図書隊・防衛部の女性に対して、「変な特権って一回持ったら手放すの惜しくて悪あがきする奴がいっぱいいると思う、だからすみませんとかごめんなさいとかすぐ言うのやめよう。」っていう場面がある。これを読んでちょっと笑ってしまった。「図書館内乱」の感想で、図書隊自身に指摘したことだったので。やっぱり、自分のことを客観的に見るのは難しいんだよな。
郁と堂上の関係もいいけど、柴崎と手塚の関係もいいね。次巻が楽しみだ。