クーリエ ジャポン 2011年 9月号
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2011年 09月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/07/25
- メディア: 雑誌
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年金や医療保障こそ中国が切り捨てたものなのだ。ただ、これは中国が悪いというよりも巨大な人口を抱える国の宿命ともいうべき問題である。中国では個々人の福利厚生を手厚くすれば、国家財政の破綻は避けられない。だからこそ中国は集めたお金を原資に、新たな利益を生むための投資(公共事業)を行うしかないのだが、汚職が蔓延している中国では、これはやればやるほど富の偏在を生み出す鬼っ子でもある。
「龍と象の比較学 教育の現場」
これまでインド人の英語力の高さは、グローバルなビジネス社会でのアドバンテージだと考えられてきた。しかしいま、国内では高等教育の英語偏重への疑問が噴出している。この問題は、英語重視に傾斜しようとする日本の教育・学問への問題提起にもなるだろう。
「業界関係者の内部告発でわかったシェールガスの不都合な真実」
新たなエネルギー源として期待を集めるシェールガスだが、業界内からはバブルに過ぎないという声も聞こえ始めた。エネルギー会社の幹部や弁護士、地質学者、市場アナリストたちは楽観的すぎる予測に対して懐疑的な見解を示し、企業が意図的に、なかには法に抵触する形で、ガス井の生産性やガスの埋蔵量を過大評価しているのではないかと疑っている。
「なぜマドンナはアフリカを救えなかったのか」
アフリカを助けようとして金を投げ与えるのは自殺行為に等しい。過去50年間にわたる欧米諸国や慈善団体からの途上国支援2兆ドルは、はっきり言って効果を上げていないというのが、苦い現実なのである。
感想
今号は中国特集。中国では富裕層と貧困層の格差の拡大が問題になっているが、仕方ない面もあるよなあと思った。あれだけ人口が多いと、どんなに大きな予算でも、一人当たりにできることは薄くならざるを得ないからな。効果を求めれば、範囲を絞るしかない。恩恵を受けられない人たちの爆発がいつ起きるのか、それとも今後改善していけるのか、興味深い。
インドの英語重視について。インド人の英語力が高いことはメリットではあるけれど、その背面にはそうならざるを得なかったデメリットが潜んでいる。どんな物事にも両面がある。それらを平等に掬って、バランスのとれた見方をしていかないといけないよな。日本人は英語が出来ない人が多いけど、必要に迫られれば誰だって修得するようになるだろう。別に慌てる必要はない。それよりも、自由に日本語を操れることに感謝し、もっと日本語について、日本の文化・歴史・伝統について、深く学んでいきたい。
シェールガスについて。一昨日紹介した本は天然ガスにかなり期待していたが、やっぱりこういう話は出てくるよな。全てが解決するような夢の話はそうそう無い。有望な途ではあるんだろうけど、それのみに依存・期待するのではなく、幅広く途を開いておかないと。
アフリカ支援について。本「僕たちは世界を変えることができない。」の感想で指摘していた点がそのまま当てはまるような話だな。やっぱりそうなんだよな。お金をかけたって上手くいかないことはある。着服、非効率、被支援国政府の腐敗、等。もちろん、何とかしたいっていう気持ちは尊いものだと思うけどさ。その気持ちをそのままストレートに効果として反映させられる仕組みが作れるといいよな。今までの失敗から学んだ知見を一つに集めたり出来ないもんかな。色んなところで同じような失敗をしていてはもったいないし、意味がない。