- 作者: 西澤保彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/10/07
- メディア: 文庫
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本「神、さもなくば残念。」の中で、シュタゲみたいなループ作品として紹介されており、興味を持って読んだ本。
評価されている通り、とても面白い本だった。ミステリーものなんだけど、シュタゲの主人公が途中陥るような悲壮感・切迫感は無く、終始安心して楽しむことができた。まあ、シュタゲみたいな方向性のほうが好みではあるんだけど。
本作くらいお手軽にループが楽しめたらいいよな。主人公はループ能力について達観しちゃってるけれど、これを上手く使えば億万長者にだって手軽になれるのに。リセット前提であらゆる経験をすることもできるし。それがこの物語の主題ではないとはいえ、そっちの世界の方が遥かに広がることが見えており、何だかもったいない感じがした。まだ高校生だし、そういうのはこれからのこと、なのかねえ。そんなのは必要ならばいつでも出来ること、って達観しているのかもしれないな。
ループごとに、登場人物の様々な内面が見えるって構造も面白かった。上手い作品。これだけ手軽に満足感を得られたら十分だよな。また別の作品も読んでみたい。