- 作者: 田家康
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2013/07/23
- メディア: 単行本
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今日、気候変動というと人為的温室効果ガス排出による地球温暖化ばかりに関心が向く。あたかも母なる自然は安定した環境を人類に与えているにもかかわらず、われわれは自らの業によって自ら破滅の道を歩んでいるかもしれないという発想もある。しかし、古気候学の研究成果から、気候は自然要因によって常に大きく変動してきたことがわかってきた。7世紀後半から現代に至る日本の歴史をみても、太陽活動の数百年単位での強弱や突発的な巨大火山噴火によって、気候変動は起きてきた。
気候変動に対する処し方
・技術の発達による克服
・統治の安定と的確な対策
・市場経済: 気候変動の影響を増幅する新たな要因
感想
ライフネット生命の出口さんのお勧め本、二冊目。日本の歴史を、当時の気候変動と紐付けて考えていく。歴史にたびたび訪れる飢饉との関係、日本の人口推移との関係。日本の歴史についてはそれなりに触れてきたので、復習みたくなってしまった部分もあるけれど、視点を変えて見て行くってのは面白い。これに限らず、複合的・多層的な考え方・知識ってのは僕の望むもの。時間をかけて理解しないと、統合ってのはなかなか難しいんだけどね。
食糧事情が人口を決めていた時代は、気候変動がダイレクトに影響を与えていた。技術革新によってその制約を突破したわけだけど。その状態はいつまで続くことか、ってところかな。さらなる技術の発達くらいにしか期待できない感じだけど、変化は緩やかなものであるといいなあ。我ながら、完全に流れ任せ。自分にはどうしようもないことだし。それに対処しようとする責任感は持ち合わせていない。