ビジョナリーカンパニー−時代を超える生存の原則−
- 作者: ジム・コリンズ,山岡洋一
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 1995/09/26
- メディア: 単行本
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ビジョナリーカンパニーの理念に不可欠な要素はない。重要な問題は、企業が「正しい」基本理念や「好ましい」基本理念を持っているかどうかではなく、企業が、好ましいにせよ、好ましくないにせよ、基本理念を持っており、社員の指針となり、活力を与えているかどうかである。ビジョナリーカンパニーは理念を宣言しているだけではない。その理念を組織全体に浸透させ、個々の指導者を超えたものにするための方法も取っている。ビジョナリーカンパニーは一貫した職場環境を作り上げ、相互に矛盾がなく、相互に補強しあう大量のシグナルを送って、会社の理念と理想を誤解することはまずできないようにしている。
ビジョナリーカンパニーの基本理念は、進歩への飽くなき意欲と密接に関係している。進歩への意欲があれば、今がどんなに順調であっても、決して満足しない。
安心感は、ビジョナリーカンパニーにとっての目標ではない。それどころか、ビジョナリーカンパニーは不安感を作り出し(自己満足に陥らないようにし、)それによって外部の世界に強いられる前に変化し、改善するよう促す強力な仕組みを設けている。
感想
13年前に刊行された本なので、ザ・ゴールのように今では古臭い話になってしまっているのではないかと構えながら読んだのだが、今においてもかなり参考にできることが多く、読んで良かったと思えた。特に、常に変化と前進を促すことや、そのために安心ではなく不安をもたらす仕組みを作る、ということなど興味深かった。
偉大な指導者に頼るのではなく、そういう人物がいなくても機能するような組織を作り上げること。この本で指摘されていた教訓の一つだが、個人的な成長過程においても、一時のやる気や熱意に頼って自己開発を進めるのではなく、いつでもそれを保ち、成長し続けられる仕組みを作っていくことが大切だと感じた。そういう、継続する努力こそが、将来のビジョナリーカンパニーを作り、かけがえのない人材を作る。今後、自分個人の基本理念と目標を設定し、それに沿った仕組みづくりと、それを妨げる習慣や仕組みの排除に取り組んでいこう。