40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

マンガ嫌韓流 1巻、2巻

マンガ嫌韓流

マンガ嫌韓流

マンガ嫌韓流2 (晋遊舎ムックシリーズ)

マンガ嫌韓流2 (晋遊舎ムックシリーズ)

日韓の補償問題
→日本と韓国の国交が結ばれたときに全て終わった。日韓基本条約でこのことは「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」とある。


何故、韓国側では日本が竹島問題を取り上げると、反発するのでしょうか。その理由は、過去の日韓関係にあります。韓国は竹島島根県編入された1905年の5年後、日本に併合されていました。そのため1905年の竹島島根県編入は、韓国側から見れば日本による「朝鮮侵略の最初の犠牲の地」と映るのです。
この韓国側の歴史認識からすれば、日本が竹島問題で領有権を主張することは、日本の軍国主義の復活となり、朝鮮半島の再侵略と映るのです。


感想
最近日本の近現代史に興味を持っているんだけど、その中でこの日韓関係ってのも避けて通れないだろう。この本の存在は当時話題になった時から知ってはいたんだけど、タイトルからして一方の側に偏った対立を煽る内容だろうと判断して読んでいなかった。なんだけど、Amazonで色々とリンクを辿っていくなかでこの本に行き当たり、かなり評価が高いことを知って興味をそそられた。偏った内容だったとしても、それが事実かどうかは検証できるだろうし、日本側・韓国側と両極端の意見を知ることによってこそこの問題についての幅を広げることに繋がるだろうと考え、読んでみることにした。結果、めちゃくちゃ衝撃を受けた。「今更かよ」って思われるかもしれないけれど、今までの人生で長いこと、対立を避ける事なかれ主義でやってきたもんで。


日本の戦後保障は既に解決済みってのが、いきなりの衝撃だった。だったらなんで韓国はあれだけごねているのかと。この本を読み進めていくにつれ、そのカラクリについてよく理解できた。もちろん、韓国側の主張もあるんだろうから、この問題については引き続き調査を続けていくつもりだ。
なんだけど、こういう対立状態になっているというのも、ある面で仕方ないというか、どうしようもないって感じもするなあ。「きけわだつみのこえの戦後史」の感想にも書いたけど、相手の意見を認めない・自分の意見に固執するってのは、もう人間が持っている普遍的な性向だからな。ユリウス・カエサルの言葉に、「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。 多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」ってのがあるけれど、本当この言葉は真実だよなあ。
自分自身もそうだったのでよく分かる。どんなに事実が目の前にあっても、それを見ることを望んでいないので、全く目に入ってこないんだよな。そこから抜け出る唯一の道は、そういう状態でいることがいかに不利な状況であるかを悟ること。人間、自分にとってメリットのない行動は取らないものだ。自分がそれで幸せになれると信じているから、もしくは現在幸せだから、その状態に留まっている。相手のためを思って取る行動も、それをすることで自分が気持ちいいから・嬉しいからってだけに過ぎない。そのことを否定するつもりはない。ただ、それが真実だってだけの話だ。良い悪いの問題じゃない。ちょっと話がずれたけど、抜け出ることが真の幸福に繋がると信じられれば、事実を受け容れられるようになるだろう。まあ、嵌った状態でそう判断するのも難しいことなんだけど。


日韓問題に話を戻すと、韓国人にとって、日本側が主張する事実を認めることには、メリットがない。日本から色々な特典を引き出すことができるし、国内の不満を外に逸らすことができるし。真実を受け入れることは、そういう有利な立場を捨てることを意味する。「見たい現実しか見ない」ってことなら、韓国人が真実を受け入れることを期待するのは無理ってもんだ。どんなに証拠を積んだって、それを見ようとしない、というかその存在に気付こうとすらしないんだから。考えられるとしたら、そういう有利な立場よりも、「真実を知る」ってことに上位の価値を置いている人達だけだろうな。なので、相手側に事実を示して認めさせようと努力したってこの問題は解決しない。
やるべきは、日本人にこの事実を広く伝えることだろうな。今でも先週までの僕のように事実を知らない、興味がないって人は多い。それに、左翼や在日等、それを阻止しようとする勢力はあるだろう。その人たちにとってはそうすることがメリットに繋がるから。でも大多数の日本人にとっては、この事実を受け入れることにはメリットがある。変な劣等感を抱かないで済むようになるし、いいように使われる現状を打開することができる。今までは根っこを押さえられて情報があまり伝わらなかったけれど、今はネットによってどんな意見も自由に発信・受信することができる。そしてその流れはどんどん進むんだから、事実を知る機会もより多くなるだろう。なので、この問題については早晩多くの日本人に浸透するんじゃないかな。ちょっと楽天的すぎるかもしれないけど。
あと大事なのは、この事実について世界に広く発信することだろうな。韓国側の意見を世界全体の意見にされてしまってはどうしようもない。事実を認めされられないとしても、世界中に日韓で歴史認識に食い違いがあるってことはアピールできるだろう。日本国民が事実を知るようになれば、それを反対勢力は抑えきれなくなるだろうし、政府としても世界に発信できるようになるんじゃないかな。そうやって日本人が、世界が事実を知れば、韓国人がメリットを享受することはできなくなるだろう。
問題はその後。真実を相手に認めさせようと躍起になったり、今までの借りを返そうと反韓になったってしょうがない。それは自分や日本の将来の可能性を狭めることになると思う。相手には相手の立ち位置があり、こっちにはこっちの立ち位置がある。相手からメリットが引き出せなくなれば、向こうだって不毛な主張を今後も繰り返すことはなくなるんじゃないかな。
嫌韓になることに本当にメリットがあるのか、どうすることが一番良いのか、よく考えて最大限の効果を生み出す道を探ってほしい。僕自身もそのように努めていきたい。やっぱり知るってことは楽しいなあ。