憚りながら
- 作者: 後藤忠政
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2010/05/15
- メディア: 単行本
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もう日本では、本気でヤクザを潰そうと思えば、潰せるところまできている。ただ、今すぐになくさないのは警察の思惑に過ぎない。ヤクザがいないと困るからな、警察も。取り締まる相手がいなくなったら、予算が取れないだろ。おまんまの食い上げになっちゃうもの。
けれど、その反面、警察がヤクザをトコトンまで追い込もうとしているのは間違いない。自分たちの退職後の食い扶持を守らにゃならんから。自分たちの天下り先を確保しようと思ったら、「暴力団追放」っていう錦の御旗を掲げて、パチンコ屋から、建設会社からヤクザを叩き出すのが一番、手っ取り早いもんでな。
感想
元山口組後藤組組長が書いた本。この世界については全然知らなかったため、かなり興味深く読むことができた。語れない部分は多いんだろうけど、それでもかなりぶっちゃけた内容となっており、色々と知ることができた。あと、著者がここまで登り詰められたのは、本人自身の資質ももちろんあったんだろうけど、結局、死ななかったからってのも大きいんだろうなあと思った。困難な道であることを承知の上でそれを選択する人たちがいるんだよな。本当、世界には色々な種類の人間がいる。迷惑な存在ではあるけれど、そういうのも含めて、世界ってのは多様性に富んでいて面白いよなあ。世界にはまだまだ知らないことが溢れている。その一端を、少しでも多く垣間見ていきたい。
それにしても、周りからの圧力に屈せずここまで信念を貫き通せるってのは、ある意味凄いよな。その進む方向を習うつもりはないけれど、信じる道を突き進む意志の強さや信念ってのは見習っていきたい。