40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

憚りながら

憚(はばか)りながら

憚(はばか)りながら

世の中の人たちは、ヤクザの親分というのは、若い衆が稼いできた上がりを取ってメシを食ってると思ってるかも分からんけど、そんなことをしてたら若い衆は逃げるだけだ。二十代の頃の俺なんて、有名な親分でも何でもないし、もっと簡単に言えば、俺が飲ませたり食わせたりしてるから、人が集まるんであって。「おい、お前」とか言って身内にたかってばかりいたら、逃げられるに決まってるよ。俺は、ヤクザになっても下の者から銭を徴収したことはないし、後藤組の直参連中でも、若い衆に「儲けたんなら、小遣いくれよ」なんて言う奴はひとりもいなかった。俺もそうだし、俺の直参も皆、それぞれ、自分の才覚でメシを食ってたから。


もう日本では、本気でヤクザを潰そうと思えば、潰せるところまできている。ただ、今すぐになくさないのは警察の思惑に過ぎない。ヤクザがいないと困るからな、警察も。取り締まる相手がいなくなったら、予算が取れないだろ。おまんまの食い上げになっちゃうもの。
けれど、その反面、警察がヤクザをトコトンまで追い込もうとしているのは間違いない。自分たちの退職後の食い扶持を守らにゃならんから。自分たちの天下り先を確保しようと思ったら、「暴力団追放」っていう錦の御旗を掲げて、パチンコ屋から、建設会社からヤクザを叩き出すのが一番、手っ取り早いもんでな。


感想
山口組後藤組組長が書いた本。この世界については全然知らなかったため、かなり興味深く読むことができた。語れない部分は多いんだろうけど、それでもかなりぶっちゃけた内容となっており、色々と知ることができた。あと、著者がここまで登り詰められたのは、本人自身の資質ももちろんあったんだろうけど、結局、死ななかったからってのも大きいんだろうなあと思った。困難な道であることを承知の上でそれを選択する人たちがいるんだよな。本当、世界には色々な種類の人間がいる。迷惑な存在ではあるけれど、そういうのも含めて、世界ってのは多様性に富んでいて面白いよなあ。世界にはまだまだ知らないことが溢れている。その一端を、少しでも多く垣間見ていきたい。
それにしても、周りからの圧力に屈せずここまで信念を貫き通せるってのは、ある意味凄いよな。その進む方向を習うつもりはないけれど、信じる道を突き進む意志の強さや信念ってのは見習っていきたい。