40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

累犯障害者

累犯障害者 (新潮文庫)

累犯障害者 (新潮文庫)

矯正統計年報の2004年の数字では、新受刑者総数3万2090名のうち7172名(全体の約22%)が知能指数69以下の受刑者ということになる。測定不能者も1687名おり、これを加えると、実に三割弱の受刑者が知的障害者として認定されるレベルの人たちなのだ。

現在、刑務所から出所した人間の再入所率は、約50%にもなっている。

障害者福祉予算の総額は年間約1兆円。対国内総生産比に占める障害者予算でいえば、スウェーデンの約9分の1、ドイツの約5分の1、イギリスやフランスの約4分の1、そして社会保障制度の不備が指摘されるアメリカと比べても、その2分の1以下となっている。


感想
刑務所の実態が分かり、勉強になった。刑務所が矯正施設として機能していないってのは問題だよな。でもだからといって人手をかけて充実させるほどの予算がないってのもまた事実で。犯罪を犯した人のために国民の税金をさらに使うっていうのは抵抗感もあるし。まあ、そういう施設があるおかげで社会がある程度平和に保たれているわけで、それをさらに推し進めていきたいんならちゃんとお金を配分しろってことなんだよな。国民が現状を分かっていないから、そういう理解が得られない。議論が出来ない。まあそもそも、世間はそういう部分は見たくないと蓋をしている面もあるんだろうけど。
自分に何が出来るか。なんていいつつ、当事者にならないと真剣には動かない。そして本当に自分の身に降りかかってきたとき、そのしっぺ返しを食らう。この問題に限らず、そういうことって多いよな。
著者は半民半官で運営するPFI方式の刑務所に期待を寄せている。でもこれって大丈夫なのかな。アメリカには民間運営の刑務所があるけれど、受刑者を借金漬けにして利益を得ているらしい。大体民間ってのは利益を得ることが目的なんだから、そういうものに任せるべき機能じゃないと思うんだけど。まあ民間の効率性や機動性を利用できるなら良いほうに進むのかもしれないけど。運営開始から2年くらい経っているし、現状どうなっているんだろう?追っていきたい。