- 作者: 竹田恒泰
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2008/02/14
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二番目に古い国家は、ヨーロッパで現存する最古の国、デンマーク王国。十世紀前半に、バイキングたちを統合した初代国王ゴームが建国したといわれる。三番目に古い国は英国で、初代国王のウィリアム一世が英国を征服したのが1066年である。
「天皇は日本国の象徴」とは具体的にどのような意味なのだろうか。それは一言でいうと、「目に見えない一つの国民の姿」(主権者)を、目に見えるかたちで現すのが天皇ということである。多数意見は主権者の意思とは異なる。つまり、多数意見が国会の決議を経て主権者の意志となるのであり、主権者の意志は一つしかない。そして、主権者の意志を確定する過程で役割を果たすのが一人ひとりの国民である。したがって、目に見える国民は主権者ではなく、主権によって統治される国民ということになる。
「国民主権」という場合の国民とは、国家意思の主体であり、「目に見えない一つの国民の姿」であって、目に見える国民のことをさすのではない。国会議員は、統治される国民の代表であり、主権者たる国民を目に見えるかたちで表すのが天皇なのである。それが象徴天皇の本質である。
感想
著者の竹田さんは、ゴー宣の「天皇論」「昭和天皇論」なんかで、天皇の男系絶対主義者として批判されている人物。竹田さん自身、明治天皇の玄孫で、男系を貫くのであれば天皇を継ぐ可能性もあるんだよな。小林さんからすれば、「既に民間人になっているような人が天皇になるなんて受け入れられない!」ってことだけど。どんな人なのか気になってたんだけど、色々と本を書いているみたいだったので、読んでみることにした。Amazonでの評価も高かったし。
この本では、歴代天皇を中心とした日本の通史を扱っている。普通、鎌倉時代以降は武士のほうがメインになってしまい、天皇のほうは陰が薄くなってしまう。天皇側からの本は初めて読んだため、すごく勉強になった。神話時代から始まるため、前に読んだ古事記の復習にもなったし。こうやって、歴史を色々な視点で重層的に見れると、日本史についての理解が深まったように感じて嬉しいな。
日本は現存する国家のなかで、世界最古の国家。誇らしいことだよな。日本がより好きになった。今後もしっかり守っていかないといけない。やっぱり歴史って面白いなあ。学べば学ぶほどその魅力に引き込まれていく。もっともっと知りたい。