40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

読まない力

読まない力 (PHP新書)

読まない力 (PHP新書)

脳ミソは入出力を繰り返して発達する器官である。自分がやってもいないのに、頭から降りかかってくる災難を天災という。ご存知のとおり日本は災害列島で、世界に冠たる天災国である。だからそれには慣れているに違いない。おかげで人為的災害に対する対処が苦手なのではないか。
自分で何かして(出力)、その結果を見て(入力)、再び何かをする(出力)。以下、次々にそれが繰り返されると、脳ミソのなかに法則がつくられていく。それを学習という。天災は必ずしも学習にならない。いきなり入力から始まって、それに対処して、一巻の終わり。この前の戦争も、結局はどうだったのか、よくわからない。そう思うのは、右のことと関係するような気がする。ものごとを学ぶのは、なかなかたいへんなのである。


日本人は真面目で、人生は一面で芝居だという感覚がない。それでダマされる。派手なことほど芝居である可能性が高い。たとえ芝居でなくても、誰かが芝居に仕立ててしまうこともある。芝居は公認の筋書きのほかに、さまざまな筋書きがありうる。芝居だと思っていれば、違う筋書きを聞いてもビックリすることはない。


感想
実家に帰ったとき、暇だったので父の本棚にある本を漁り、この本を読んでみた。養老さんの本はこれまでに、「バカの壁」を読んだことがある。他の本も色々揃っていたので、機会を見つけて読んでいこう。
この本は、雑誌「Voice」に連載していた記事の中からテーマごとにまとめたもの。そのため内容はバラバラなんだけど、色々と納得させられる指摘などもあって面白かった。
日本が災害列島だということが及ぼす国民性への影響について。本当に色々なことが人間を形作っている。面白いなあ!そういう一つひとつを解きほぐしていけたら楽しいだろうな。     (参考:「銃・病原菌・鉄」、「人は意外に合理的」)
「人生は芝居」だと言う。場面場面で適切な自分を演じていければ、もっと上手く、楽に生きていけるんだろうな。それが出来ないのは、不器用だからか、自尊心が高いからか、面倒臭がりだからか。多分全部関係しているんだろう。演者としてではなく、観客としてならばかなり上手く観れる自信があるんだけどな。
この本からは養老さんの生き方のスタンスも伝わってくる。自然体で構えない、力を抜いた生き方というか。本当、人によって考え方は様々に異なるよなあ。最近は同じ著者の本をまとめて読んでいることもあり、そういうのを感じられるようになってきた。こういう読み方も悪くない。でも、こうして一人の人を深めるのもいいんだけど、同時に幅を広げたいという気持ちもある。難しいなあ。