40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

食品の裏側−みんな大好きな食品添加物−

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

添加物の毒性や発がん性のテストは、ネズミなどの動物を使って繰り返し行われます。ネズミと人間の分解能力・吸収能力が同じとは言えないはずです。人間特有のストレスなどもそこでは考慮されていません。しかしそれでも、人体実験ができない以上、それを「目安」にするしかないのです。


さらにこれだけ添加物が大量に入ることで、別の不安も生まれてきます。それは、「添加物の複合摂取」という問題です。添加物というものは、厚生労働省がひとつひとつ毒性のテストをして、一定の基準を満たしたもののみが認可されています。しかし、それは単品使用の場合においてのテストであって、複数の添加物をいっぺんに摂取したらどうなるかという実験は十分になされていないのです。


体をつくる食べ物は、こんなに簡単で単純で安くはないはずです。一度の食事が、食べるのは一瞬でも、どれだけの手間がかかるのかを、子どもたちに教えなければいけないのです。手間のかかる食事は、子どもの「体」だけではなく「心」をつくることを知ってほしいのです。

食べ物のありがたみがわからない子どもは、命のありがたみもわかりません。人の命の重さもわからない。だから、簡単に人を傷つける子どもになってしまうのではないでしょうか。


感想
最近読んだ本「マインドコントロール」に参照されており、あまりに酷い言説だったため、本当にそんなことが書いてあるのが確かめてみようと思って読んでみた。結果、「マインドコントロール」の著者が暴走していたことが判明。とはいえ、若干この本の著者にも同じ匂いを感じたけどね。そもそも僕自身、食にこだわっているわけではないので、一般的な感覚からかけ離れている部分はあるかもしれない。ただ、一読者として僕が感じたところを述べてみたいと思う。


著者は昔、食品添加物の専門商社に勤めていたそうだ。そこで食品添加物の危険性に目覚め、職を辞し、啓蒙活動に従事している。今まで信じていたものに裏切られた(?)反動もあるのかもしれないが、あまりの言い分だな。「添加物は完全な悪ではない」「利点もある」と所々擁護してみせるが、その裏にある食品添加物を貶めようという意志・意図を強く感じる。言葉の端々で否定しているんだもんな。中立なように見せて完全に糾弾側にいるってやり方は、フェアじゃないよなあ。


一番の問題は、食品添加物の危険性をデータで示していないことだろう。添加物の毒性テストはねずみでの結果だってのは確かにそうなんだろうけど、ならばネズミと人間ではこういう違いがあるっていうデータを示すべきだろう?
複合摂取にしても。「十分に実験されていない」と言うのなら、一つ二つでも、複合摂取でこんな問題が起こる、っていう例を示すべきだろうに。可能性を提示するだけで危険性を煽るのでは、単なる印象操作と言われても反論できないだろう。
化学調味料の過去の風評についても。そういう話はあったかもしれないが、それは本当のことだったのか?噂話程度を根拠に挙げられてしまったらたまったものじゃない。


結局、食品添加物を大量摂取(もちろん、基準値内で)することで、最終的にどんな影響があるのかは分かっていないんだよな。でもまあ、昔に比べて病気が増えたわけでも、寿命が縮まったわけでもない。逆に改善されたくらいだ。医療の進歩の影響の方が大きいのかもしれないけどさ。そういえば、薬だって天然には無い化学物質なわけで、著者はそれも否定するのか?天然至上主義は止めておいた方がいいと、僕は思うよ。

子ども達への影響を憂慮する著者の思いは、まあ分からなくもない。ただ、そんなの食品添加物を避けなくても、他の方法で教えていけることだろう。人は、食品添加物によって得た利便性を手放すことはない。ならば、それを受け入れた上で、どうするかを考えていくべき。


食品に添加物が使われている例を示してくれたり、上手に付き合うポイントなんかを教えてくれたりと、益になった点もあった。ただ、読者を著者の思うように操作しようとする姿勢に、違和感というか、拒否感を感じてしまった。
まあ、最初に言ったように、食にそれほどこだわっているわけでもないんでね。それより、過度に危険性を吹聴されて、それに踊らされることのほうを嫌悪する。最近も、水道水から放射性物質が検出されたっていってミネラルウォーターが店から無くなった、って出来事があった。政府の発表が信用できない気持ちとか、目に見えないもの・未知のものを恐れる気持ちは分かる。でも、過剰反応している面も大きいよな。実際、僕はずっと水道水を飲んでいるからな。まあ、本当に危険だったら、その害を被ることになるわけだけど。そのリスクは受け入れているため、何の問題もない。