「また、必ず会おう」と誰もが言った。
- 作者: 喜多川泰
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2010/11/18
- メディア: 単行本
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「どんなことをやらせてもいい、何も音楽なんて聞かせなくても子供の好きなように遊ばせてもいい。子供はね、心から信頼してくれる誰かがいて初めて才能を開花させる土壌ができるんじゃないかなぁ。そしてもう一つ大切なことがある。いちばん大切だけど、いちばん難しいことだ。それはね、『待つ』ことだよ。そうするだけで子供は絶対に才能を開花できると私は思う。信頼の反対は管理。そして、『待つ』の反対は結果を求めること。」
焦らなくてもいい。ただ、自分が好きだと思えることに正直に、真っ正面からぶつかり続ける。出会った人たちとのご縁を大切にしていく。そういう生き方が、いつかは、自分の使命につながっていく。根拠なんていらない。心からそうだと納得できた。
幸せも、成功も人が運んでくるもの。それだけじゃない。その人の持つ無限の可能性を開化させてくれるのも、それにふさわしい人との出会い。人生は誰と出会うかで決まるのです。
感想
すごく面白かった。物語に引き込まれ、一気に読みきってしまった。一回の旅でこれほど多くのものが得られたら最高だろうなあ。「人生を変える旅」ってやつだね。僕もこれまで何度も一人旅をしており、そのたびに何かしら得るものがある。今までしてきた旅で、損をしたと感じたものはない。全てがいい思い出で、生きる糧になっている。でもこれ以上を求めるのならば、やはり人との関わりを求めていくべきなんだろうなあ。国内旅行でも海外旅行でも、極力人と関わらないで済むようにしてるからな。
この本の主人公は、次々に素晴らしい出会いを繰り返す。みんな本当に良いことを言う。どの人の言葉も、すごく響いた。普通の人達ではあるんだけど。でも、普通の人であっても、その内には深いものを抱えている。それを引き出すことができたら、すごく教訓になるんだろうな。僕もそういうものが得られるのなら、人との出会いや関わりをもっと求めていきたいんだけど。でもそれが難しいんだよなあ。どうしても表面をなぞるような会話で終始してしまい、後にはあまり残らない。旅のような一度きりの出会いであれば尚更。それは僕のやり方が悪いんだろうけど。やりたいことははっきりしてるんだから、練習してそれを修得していかないと。そうしないといつまで経っても変わらない。主人公のように、それが自然に出来る人は羨ましい。
それはまあ、小説だからってこともあるよな。小説の形を取った啓発書って感じもした。「あとがき」を読むと、著者もそれを意図してやったみたいだし。主張がある本ってのは好きだし、全然構わないんだけど。この著者の他の作品も読んでみたいな。