40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

がんの練習帳

がんの練習帳 (新潮新書)

がんの練習帳 (新潮新書)

お酒によって、危険が高くなるのは、大腸がんの他には食道がん喉頭がん、肝臓がん、乳がんなどが挙げられます。さらに、問題なのは、アルコールで「顔が赤くなる」人は、お酒を飲み続けると、食道がん喉頭がんになる危険が、より高まることです。
顔が赤くなっているということは、体内に発がん性物質アセトアルデヒド)が分解されずに残っていることを示しています。顔が赤くなる「部分欠損型」の人は、同じだけお酒を飲んでも、顔が赤くならない「正常型」の人より、食道がんのリスクは「10倍」近く高くなると言われています。
昔は飲むとすぐ真っ赤になったけれど、鍛えているうちにずいぶん飲めるようになった、という方も多いと思います。しかし、アセトアルデヒドにカラダが慣れただけですから、やはり要注意です。飲んで真っ赤になる人にお酒を勧めることは、慎むべきでしょう。


タバコを吸わず、お酒を控えること以外には、野菜や果物を摂り、塩分や動物性脂肪を控え、運動を心がけ、「太らない」ことが大事です。ただ、男性の場合、おおまかに言って、がんの原因の3分の1がタバコ、もう3分の1が、過度の飲酒などその他の生活習慣ですが、残りの3分の1はどうすることもできません。どんなに聖人君子のような生活をしても、がんを完全に避けることはできないのです。


毎日数千個も発生しては消されていくがん細胞、この内のたった1つを免疫細胞が見逃し、ひっそりと生き残った時から、がんは成長し始めます。ただその成長は遅く、乳がんの場合、たった1つのがん細胞が1センチに育つまでに約15年、がんが大きくなって人間が死ぬまでには約20年という時間が必要となります。


がん死亡者数急増の原因は、日本人の寿命が飛躍的に延びたことです。なぜなら、がんは「細胞の老化」ですから、長く生きなければ、がん細胞が育ちません。明治元年の平均寿命は35歳、大正元年で40歳ほど。縄文時代では15歳程度だったと言われます。織田信長は、「人間五十年」と謡いましたが、その当時の平均寿命も20〜25歳程度なのです。


日本のがん治療4つの問題点
①手術偏重、②放射線治療の軽視、③化学療法の専門化不足、④緩和ケアの遅れ


感想
「スゴ本」サイトで紹介されていた本。病気とはあまり縁のない僕だけど、がんはやっぱり心配。2人に1人が罹ると言われているし、うちは祖父母4人のうち2人ががんで亡くなってるからな。「がん家系」なんじゃないかって思ってたし。結構ためになったし、読んで良かった。
がんについてのクイズ。「がん家系」というのはほぼ無いそうだ。遺伝するがんは、がん全体の5%程度とのこと。ちょっと安心した。とはいえ、2人に1人が罹るんじゃあ、結局は他人事にはできないわけだけど。あと、食べ物のこげは、がんのモトにならないそうだ。大量に摂らない限りは。今後は気にせず食べていこう。
この本を読んで一番衝撃だったのが、「アルコールで顔が赤くなる人は、お酒を飲み続けると、食道がん喉頭がんになる危険が、より高まる」ってこと。食道がんのリスクは「10倍」だとか。まじかよ!!つい最近、家でウイスキーを飲み始め、習慣になっていたというのに。今ならまだ容易に止められるだろうけどさあ。でもなあ。もともと飲む量は少ないし、あまり影響なかったりはしないかなあ。
がん登録の制度化は早急に進めていくべき。国民の関心が薄い分野は法制も進まないのかなあ。人々の目が届かない分野こそ、政治家がしっかり勉強し、社会に伝え、整備していくべきだろうに。
この本で勧められていたように、がんをなるべく避けるような生活習慣を守っていこう。とはいえ、なったらなったで仕方ない。僕も筆者と同じく、突然死ぬよりは、がんになって、死ぬまでの準備期間があるほうがいい。今の生活って、今後も継続することを前提としているわけで、終わりが分かっているならば行動も変わるだろうからな。悔いなく終わりを迎えたい。どうしたって悔いは残るのかもしれないが、多少は軽減できるだろうし。もちろん、その時はなるべく後にしてほしいけどね。あと40年、50年後くらいに。
死についての問題は、色々と考えることも多いだろうし、今度じっくりと時間を設けたい。関連図書(「死を忘れた日本人」「死生観を問いなおす」)が紹介されていたし、それを読む機会に取り組んでみよう。
がんになったとしても、早期発見ならば治癒の可能性は高い。そのためにも、定期的な検診は必要だよな。会社の定期健診ではどこまでカバーできるものなんだろう。前に、「30になったら人間ドックに行く」とか言っていたくせに、未だに実行していない。ある程度育っていないと発見できないそうだが、育っちゃってたらどうしようもないわけだし、一度目はとっとと行っておこう。その後の定期健診を、2年に一度にするか3年に1度にするかは今後考えていくとして。ついでに、両親を招待するのもいいかもな。