ゆるく考えよう
- 作者: ちきりん
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2011/01/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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日本は目標が高すぎるのです。「アメリカと互角に!」とか「中国には負けるな!」とか過大な野望を持つのはやめて気楽にいきましょう。個人も同じです。目標を低く設定すると楽になれます。幸せに生きるためにも、目標は低いほうがいいのです。
「すべての人に同じだけのチャンスがある」などと思い込み、諦めずにずっと必死で働き続けることが「不幸の元」なのです。諦めていないと、人は頑張りますから。無駄なのに・・・。
平日も休日もですが、「予定が入っていることがいいことだ」という考えは、下品です。時間に追いまくられることが、あるべき姿ではありません。旅行も同じです。予定がないと不安になるから事細かに予定を立てる一方で、予定通りに進まないことがでてくると焦ったり怒ったり罪悪感を覚えたりする。これではいったい何のために旅行しているのかわかりません。
アウトプットの目標がないのにインプットに時間やお金をかけるのはバカげていると考えるようになりました。
ちきりんの考え方の根底には、このふたつの原則があります。
1.自由に生きる、ということ。誰かと比べられるのでも社会に評価されるためでもなく、自分のために生きよう、ということです。
2.モノは考えよう。世の中はいうほど暗くない。楽観的に生きよう、ということです。
感想
著者がやっているブログ「Chikirinの日記」はRSSに登録しており、毎回記事を読んでいる。本人は「おちゃらけ社会派」と言っているが、結構深いことも言っていて、共感することも多いし、かなりためになる。こんな記事を毎回書けるなんて凄いよなあ。目指していきたい境地ではあるが、道のりは遠そう。そんな人が本を書いたということで、発表後すぐに図書館で予約したんだけど。あまりに人気すぎて、このたびようやく読むことができた。やっぱり面白かった。
言っていることは、僕も共感することばかり。既に実践しているものも多い。「好き」「楽しい」を貫いていきたいし、無駄・無意味な努力はしたくない。今の日本に生まれることが出来たのは本当に幸運だよな。いつまでもそれを保つことは出来ないわけだし。政治家の蓮舫さんが仕分けの時に批判を浴びたように、1位を目指さないと、上位に留まることすら出来ないってのは分かる。でも、そうまでして上位に留まるのと、肩の力を抜いて中の上になるのと、どっちが幸せなんだろう?どちらも選択肢としてはあるはずなのに、今の世の中は問答無用に前者を選択しているよな。外からの目線を保ち、世間の常識に安易に流されないようにしたい。
ただ、旅行の際に予定を詰め込みすぎるのは、今でもやってしまうなあ。旅行の機会なんてそうそうないし、一度行ったら次回は違うところに行きたいし、ならば一度で全てを堪能しなくちゃ、と。貧乏性なんだよな。詰め込みは詰め込みなりに満足感がある。体力はある方だし、疲れすぎて楽しめない、なんてことは無いし。じっくりゆっくりにすると、また違った楽しみがあるんだろうな。でも、そういうのは体力がなくなった時にでも実践できるかな、と思って。それでも、一度試してみるのがいいかもね。
僕も世の中を楽観的に考えている。どんなことが起きたって、何とかなるさ。悲観して生きることで改善されるならいいけど、沈むだけで何の変化もないならば、一体何の意味があるの?変えられることと変えられないことを見分ける。例え変えられるとしても、その費用対効果を正しく見積もり、変えるかどうか判断する。ちきりんが言うように、「自由に、そして、楽観的に、人生を楽し」んでいきたい。