40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

フォーリン・アフェアーズ・リポート 2012 No.7

フォーリン・アフェアーズ・リポート2012年7月10日発売号

フォーリン・アフェアーズ・リポート2012年7月10日発売号

「ユーロ危機とドイツの決断」
危機が具体化し始めてから現在まで、その気になれば、ドイツは通貨同盟を救う力を持っていたし、現在もそうである。つまり、ユーロが解体するとすれば、それはドイツが解体を選択した場合ということになる。
EUはリーダーシップの欠落という問題を抱えている。これが問題への対応を阻む大きな障害になっている。ドイツは事実上のリーダー国だが、現在のドイツはリーダーシップを発揮する力をもっていながら、そうしていない。
世界は1944年のブレトンウッズのときのような状態に直面している。このときのアメリカは、リーダーシップを発揮し、システムの存続に必要だったグローバルな公共財を提供した。


「なぜイランは核兵器保有すべきか −核の均衡と戦略環境の安定」
現在のイラン危機の多くは、テヘランが核開発を試みているからではなく、イスラエルが核を保有していることに派生している。イスラエルの核保有のケースがきわめて特有なのは、核武装から長い時間が経過しているにも関わらず、依然として中東で戦略的な対抗バランスが形成されていないことだ。
現実には、イランの核武装化は最悪ではなく、最善のシナリオだ。この場合、中東の軍事バランスが回復され、戦略的均衡を実現できる見込みが最大限に高まる。



感想
本「通貨燃ゆ」を読んで、今後の日本の行き先、世界の行き先を知るためにも、海外、特に米国の動向を把握していきたいと思った。そうした時に真っ先に頭に思い浮かんだのがこの雑誌。前にも読んだことがあって、かなり面白かったんだよな。
ただあの時は、価格の部分がネックになり、同じく興味を持っていた「クーリエジャポン」に流れ、そっちを定期購読することに。記事の一つ一つはそれほど深くはないんだけど、世界中の面白い記事が紹介されるし、色々と間口を広げてくれた。ここで興味を持って深めていったテーマも多かったし。でも後から気付いたけど、クーリエって図書館で借りられるんだよね。読む時期は数ヵ月遅れになるけれど。
フォーリン・アフェアーズ・リポート」は図書館では借りられないし、本屋でも売っていない。Amazonでなら買えるけど、毎回注文するのも面倒だし。ということで、今号よりこの雑誌を定期購読することにした。これから楽しみだ。



今号はユーロ特集が興味深かった。ユーロ危機は散々騒がれているし、日本も円高で影響をモロに受けているし。個人的にも、外国株や外国債券で痛手を被っているし。本当勘弁してほしいよな。
現在のドイツの対応を、1944年のブレトンウッズの時のアメリカと比較している記事があって、「通貨燃ゆ」との繋がりを面白く感じた。



あと、イランの核兵器問題についての記事も面白かった。イランが悪いという世界的風潮だけど、イランの立場になれば分からなくもないよな、と。確かに、近隣諸国とのバランスを取ろうとするのは当然のことだもんな。日本だって、アメリカが守ってくれると思っているから「核反対」なんて言っていられるけれど、もしそれが無ければ、中国や北朝鮮が核を持つ中、平気で丸腰でいられるかどうか。
まあ、「核保有国は大胆な行動や攻撃的な行動を自粛するようになる。」って指摘には、楽観的過ぎるとは感じたけど。イランの核技術って北朝鮮から来ているって話だし、あの国のどこが自重してるんだか、と。保有国が増えれば、中にはそういうのも出てきちゃうからな。なるべく少なく保っておきたいって気持ちは分かる。
だとすれば、イランに対して一方的に押さえつけるだけの対応をするのではなく、イランの不安を解消するための方策を考えるべきだと思った。