企業が「帝国化」する
企業が「帝国化」する アップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔 (アスキー新書)
- 作者: 松井博
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/02/12
- メディア: 新書
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石油産業も食産業と同じように大規模な業務委託が行われており、末端で原油の採掘や製油など最も危険度の高い作業を行っているのは、低賃金で雇われた委託業者ばかりなのです。
私はこれからやってくるのは「勝者総取り」の時代だと考えています。今後はごく一部の人たちが巨万の富を手にし、大多数の人は低賃金にあえいでいくのです。
今後は「周囲と同じように振る舞う」といった行動様式ではなく、自分がどんな人生を歩んでいきたいのか、自分なりの考えを持つことが非常に重要になるという点です。どんな技能を身に付け、どこで誰と暮らし、どのような職に就きたいのか。そういった自分なりのシナリオや方向性を持っていることが大切になってきます。それでいてシナリオにとらわれることなく、状況の変化に応じて臨機応変に変わっていける柔軟性も必要になっていきます。その時々に自分の頭で考え、判断を下し、自分なりに開拓していく、そんな勇気が必要なのです。
私は今後、専門的な技能と創造性の有無が「低賃金で使われていく層」になっていく人とそうでない人を分けていく大きな鍵になると考えています。また語学もひとつの大きな鍵になるでしょう。
感想
ちょっと前にちきりんさんがブログで紹介していた本。興味を持ったんで読んでみた。ただこういうのは、ちきりんさんのブログをはじめ、色々な本で読んできた世界観であるので、新しい情報という程のものでもなかったかな。
といって、帝国が支配する世界への備えが出来ているわけでは無いんだけど。スキルアップとか何とか、闇雲に求めていくつもりはない。昔はそういう時期もあったけどね。
勝者総取りの時代に、自分も勝者になるべく頂点を目指して頑張っていくつもりはない。そこまでの人材ではないし、そのために多くのものを犠牲にするつもりもない。そうではなく、ちょっとずらした、ニッチの世界を目指したい。「いなくてもそれほど問題はないけど、いるとそれなりに便利」というような。どんな体制でもそういうニッチは存在すると思う。将来、システムが進化して隙間もない完璧なシステムが出来上がるとしても、それまでのタイムラグは存在するだろう。その間だけお世話になれればいいや。
この本の中でも、今後身に付けるべき資質が紹介されている。「創造性」って。でもこれは、帝国支配の中で真っ向から生きていくためだけじゃなく、そこからずれた生き方をするためにも必要なものだろうね。そのための「創造性」ならば、楽しんで身に付けていけるように思う。