罪と罰
- 作者: フョードル・ミハイロヴィチドストエフスキー,亀山郁夫
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/10/09
- メディア: 文庫
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世界的名作だし、いつかは読みたいと思っていた。知識を増やす実読だけでなく、自分の幅を広げるためにも雑読が必要って、最近読んだ本にも書いてあったし。半導体や歴史の本だけでなく、こういう小説にも挑戦してみることにした。
結果、今の僕には受け付けない本だということが分かった。名作なんだから全部読みきれば何か得られるものがあるんだろう。でも、読んでいくのが苦痛で、2割も読まずに終了。一応結末だけは読んで、自首してシベリアに流刑に処されるというのだけは確認しておいたが。
なんといっても、主人公の考え方が気に入らない。悪人で世の中に何も貢献していない人物を殺し、そのお金を奪って有効に利用しよう、という考え方はまあいいだろう。極端かもしれないが、分からなくはない。僕はそんなことしないにしても。でも、その考えに思い至ったならば、潔く行動すればいいんだ。何を悩む必要があるんだろう。自分の良心が許さないというのならば、やらなければいいだけの話なのだ。有用性を信じれば行動すればいいし、良心が妨げるならば諦めればいい。どっちも選べずぐずぐず悩んでいるなんて、本当に馬鹿らしい。
あと、主人公が大学を中退し、働きもせず家で何をするでもなく生活しているのも許せない。何を考えて生きているんだろう。そんな生き方、何を生み出すこともない。ただただ世の中を斜に見て皮肉っぽく生きてるなんて。
本当に、読んでいて苦痛だった。僕は当時の世界の環境を知らないし、もしかしたら大学に行くお金がなくなり中退するような人はめずらしくなかったのかもしれない。社会福祉が発達して、ある程度みんなが望む生活を送れるようになったのは、本当に現代になってからのことだし。今の世に生きる人の目からこの作品をみてはいけないのかもしれない。それと、今の僕自身、色々なことをやろうと上を目指しているから、下をみる思考を受け付けたくないという思いもあるのかもしれない。
なんにしても、今の僕に合わないことは確かだろう。いつか、もっと大きな器で受け入れられるような自分になった時、もう一度挑戦してみたい。