人類は「宗教」に勝てるか−一神教文明の終焉−
人類は「宗教」に勝てるか 一神教文明の終焉 (NHKブックス)
- 作者: 町田宗鳳
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2007/05/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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タイトルをみて即興味を持って読んでみることにした。なぜ人は宗教にはまるのか、宗教の光と闇について考えてきた身としては、やっぱりこういうことを考えている人はいるのか、と嬉しく思った。
多神教は自然に神を見出し共存しようとするが、自然に甘える意識があるため積極的に守ろうという責任感が生まれない、という意見は興味深い。一神教があったからこそ神の真理を探究するために科学が発達したという意見も面白い。宗教っていうのは人類に多大なる影響を及ぼしてきたものであり、この世を動かすエネルギーだったんだなあと改めて感じさせられた。宗教が教える「神」は神を全て説明し尽くせるものではなく、神の「メタファー」である。宗教は伝統的な教義や儀礼に囚われるあまり愛を妨げている。といった意見も頷かされた。
僕の思考はまだまだ深いものでないことを痛感させられた。この人は、一神教でもなく多神教でもない無神教というのを提唱しているが、本当に、この世から宗教がなくなればいいのにと思う。人はいつまで宗教に依存しながら生きなければいけないのだろうか。宗教から抜け出す強さをいつの日か人類は持つことができるのだろうか。その時こそ真の平和が訪れるんだろうけど、まだまだ先は長そうだ。いつの日か人類がそこまで到達できるとするならば、そのために僕にできることは何だろう?もっともっと深く考えていきたい。