それでも脳はたくらむ

それでも脳はたくらむ (中公新書ラクレ)

感想
結構いい言葉があって面白かった。芸術についての記述なんだけど、「その作品に接することで、見る側がある特定の印象を受ければ、それは立派な表現なのである。手段は何でもよい。この世の他のものでは喚起することができない何かを生み出せれば、それは立派なアートと認められる」とあった。確かにそうだな、と思わされた。

僕には芸術のことはよく分からないと思っていたけど、この間美術館に行き現代美術を鑑賞した。絵や彫刻に限らない、映像や装置なんかもあり、こういうのも芸術なんだなあと思っていたところだった。そういうものを見たとき、確かに普段は考えもしない思考を刺激された。その作品を見て「こういうことを感じるのが正解」っていうのがあるのではなく、何らかの思考が湧き出せば、そのことにこそその作品の価値があるっていうことだ。芸術とはそうやって楽しんでいいものなのだ、ってことが分かった。

自分が知らなかったことを知るとか、思いつかなかった思考をするとか、そういった経験は貴重だなあと思える。そういう経験をするために、芸術ってのはいい手段になりそうだ。これまで、博物館には興味があったけど美術館にはあまり興味がなかった。作品の本質を理解するのではなく、自分の中にあるものを掘り起こす。それが美術館の意味だというのであれば、今後は美術館に行くのも楽しみだと思えた。

美術に限らず、これからはどんどん新しい経験をしていきたいと思っている。来年の目標として、「今までしたことのないことに挑戦する」っていうのを掲げようと思っている。楽しいか楽しくないか、分かっていないことでも取り合えずやってみる。そうしたら、新たな自分を見つけ出せる。面白くなかったとしても、「こういうのは自分に向いていない」ということを新たに知ることができる。僕は自分の枠にこだわりがちだから、自分を広げるいい機会になると思う。今から、来年はどういうことをしようかと色々考えている。どんな自分を発見できるのか、とても楽しみだ。