40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

フラット革命

フラット革命

フラット革命

この匿名言論の登場によって起こりつつあるのは、言論の徹底的なフラット化である。誰が言ったかではなく何を言ったかが徹底的に問われ続ける世界では、新聞が社を挙げて主張するキャンペーンも、ひとりのブロガーの言論も、同じパワーを持ちうる可能性がある。

ネットの世界では常に善意と悪意は表裏一体であり、切り離すことはできない。悪意だけを排除し、善意だけを生き残らせようとすることは不可能なのである。なぜならインターネットは、マスメディアのようなフィルタリングされたメディアではなく、リアル社会の実相をそのまま生々しく描き出す、まったく新しいメディアであるからだ。だから、ノイズだけを抽出して批判し、だから匿名は駄目なのだ、と主張しても説得力は乏しい。

ネット上からノイズを排除することはできないだろうが、検索によってノイズの中から有益な情報を抽出する方法は日々考えられているみたいだから、そういった方法では近い将来実現するかもしれない。今はネットが普及していく過渡期だから何かと問題が起きているが、将来的にはマスメディアによる支配は崩壊すると思う。


これはネットがもたらした世界、というわけじゃないんだけど。よく、総中流社会が崩れ、格差社会になったという主張を聞く。転職が容易になりどこにでも飛び立てるようになったが、代わりに企業は個人を守る存在ではなくなってきた。自分の核というか、強みを持っていない人は生き残れない。かつてのぬるま湯のような環境を懐かしんで留まるのではなく、将来起き得る事態を想定し、今から自分を形作っておかないと。言われたままに行動する隷従で済む世界ではなくなったのだ。そのことをちゃんと意識していきたい。


国家は暴力装置として、公共というファシズムによって、人々の暴力を押さえ込み、お互いの権利が侵害されないように調停している。公共という反ファシズムを目的としたファシズムこそが、ファシズムを押さえ込む装置である。

インターネットの世界でフラット化が過度に進めば、防波堤は消失し、ファシズムが生まれてくる土壌が出現してくる。そうなったとき、調停を行うべき公共は何が担うようになるのだろうか。

確かに問題も色々ある世界だけど、今後どうなっていくのかとても楽しみだ。僕は安定を望んでいる部分もありながら、変化を望んでいる部分もある。人ってのは一義的に決められるものじゃないからな。何にしても、楽しみながら人生を過ごしていければいいなあ。