40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

こんなに使える経済学−肥満から出世まで−

こんなに使える経済学―肥満から出世まで (ちくま新書)

こんなに使える経済学―肥満から出世まで (ちくま新書)

感想
ちょっと面白そうだったので借りて読んでみた。今まで真剣に読むような本ばかりだったので、手軽に読めて良かった。
早生まれと遅生まれ、どちらが有利か、というテーマが興味深かった。この年齢になってみれば、同年代よりも年を取るのが遅いというのは利点になるが、幼稚園や小学校時代には知力や体力の点で不利に働く。僕の小学校時代は、運動は得意でクラスで一番だったと思っているし、勉強も中の上くらいにはいたと思うので、それほど年齢の差は感じなかった。でも一般的には、学力や運動能力に差が生じるものらしい。もっと悪いことには、周りと比べて劣っているという劣等感が、その後の成長を阻害し、中学生以降にも影響を及ぼすのだ。大学進学率にも有意な差が生じる。これは恐ろしいことだなあ。まあ、今更なんだけど。僕がもし子供を持つことになるならば、ちゃんと考慮しないといけないな。
あと、教師の質の低下というのも面白いテーマだった。よくテレビで指摘されていることだけど、ちゃんと原因が存在するのだ。最近は女性の社会進出が進み、各企業にも女性の割合が増えてきているが、昔、まだまだ差別意識が強かった。そのため、優秀な女性が多数教職についたのだそうだ。それによって教職のレベルが上がり、男女ともに教師の質が高かった、ということらしい。ちゃんとデータにも示されている。かなり納得した。優秀な人材でも教職を希望してくれるよう、政府は制度を整え、社会的地位を上げなくてはいけない。国民のレベルに関わる問題なんだから、しっかり考えて欲しいと思う。
情報の非対称性がある状況では、不正が起きやすくなる、というのも頭に残った。面白く読めて、けっこう良かった。