質問力
- 作者: 斎藤孝
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/03/10
- メディア: 文庫
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対話においては、誰もが「自分の言っていることに意味がないのではないか」という不安に襲われている。あるいは襲われなければいけない。
相手の言ったことに対して、「それは別のこれと似ていますか?」と質問するのは、質問の王道である。
変化について語るのは、非常にやりやすい。相手に変化前と変化後を比較させて話させればいいからだ。劇的に変わった瞬間については、人は熱く語る。同じように、一つだけだと何も触発されないものが、二つ並べて比較すると色々なものが見えてくる。
相手が技術者であれば、発見をしたときの閃きや工夫したポイントについて質問するのもいい。
基本技は、抽象的な話になりすぎたら、「具体的に言うとどうなるか」と質問する。具体的な話が長すぎたら本質的なテーマに持っていく。この往復運動がずらしのコツである。
物事の結果について聞くより、何かが生まれてきた経緯について聞いたほうが得るところが多い。(成果よりきっかけ)
質問とは、多くの場合、他人と自分の考えがどこでどのようにずれているのかを確認するための作業である。したがって、質問を発するためには、まずその前提として自分なりの考えがなくてはいけない。質問が出来ないということは、相手の考えに対置すべき自分の考えがないことを意味する。
感想
「コンサルタントの質問力」では、今の僕にとっては少しピントのずれたものだったが、今回のは求めていた領域のものだった。質問のレパートリーも挙げられていたし、質問するさいの心構えや意識すべきことも挙げられていたので、よく読み込んで自分のものとしていきたい。欲を言えば、もっとたくさん質問の型を手に入れたかったんだけど。まあ、似たような感じの本を何冊も買い込んだので、それらを読み漁って蓄えていくことにしよう。