40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

コメント力

コメント力―「できる人」はここがちがう (ちくま文庫)

コメント力―「できる人」はここがちがう (ちくま文庫)

コメント力という言葉を意識することによって、現実を見る目が繊細になってくるが、その繊細さは、特に違いについて敏感になる必要がある。逆に言えば、以前とは何が違うのか、その違いを指摘するだけでコメントになる。コメントは比較して違いを言うことが一番簡単である。


いいコメントをすぐに出すためには、相手の話を聞いていたり、何かを見ている最中から自分のコメントを考えておかないと間に合わないのだ。これは質問するときと同じだ。相手が話しているときに、質問をあれこれ用意しておかないと、自分の順番が回ってきたときに質問が出来ない。


コメントをする際、二つを並べて批評するのは非常にやりやすい。全く違う二つなら、その違いについてコメントすればいいし、よく似たものなら、共通点を指摘しながら、微妙な違いについて語ることで、より高度なコメントができる。比較すれば、何か一言ぐらいはコメントが出てくるだろう。ある映画を見たら、その映画監督の他の作品と比較してコメントしたり、その主題と似た他の映画を持ってきて比較すれば、視点がくっきりしやすい。比較がコメントの基本である。


批評の際に意識するのは、足りないものについては言及をしないということだ。注目するのは当人がもっともエネルギーをかけた部分であり、そこに対して自分なら同じことができただろうかという視点で考える。自分ならこういうふうな書き始めをしたのだろうかとか、こういう展開は思いついたのだろうかといった問いを自分自身に出していく。すると割と素直で謙虚な気持ちが生まれやすい。



感想
斎藤さんの本を二連荘で読んだ。しかも似たようなテーマだったから、同じような要点も強調されていた。まあ、言い方を変えてバリエーションを広げていたので、理解が深まって良かったと思うが。


この本の中にあった、クラシックの批評を読み込む、というのは試してみたい。僕ももっと音楽が理解できるようになりたい。あと、本の一文を引用して感想を言う、というのもなかなか良さそうだ。最近はたくさん本を読んで感想をまとめているが、その中で最も印象的な一文を暗記すれば、何かの機会に読書の成果を披露する際に使えると思う。是非実践してみよう。


それにしても、本を一通り読んだだけで満足していてはいけない。感想をまとめて出力してはいるが、それをまだ一度も読み返していない。空き時間には常に読むと言うような習慣作りをしないといけないなあ。本はその内容を実践して初めて価値がある。まだまだやるべきことがたくさんある。ちょっと怖気づいてしまうような感覚もあるが、同時にわくわくするような、前向きな気持ちもある。その思いを育て、大切にしていきたい。