ザ・ゴール−企業の究極の目的とは何か−
- 作者: エリヤフ・ゴールドラット,三本木亮
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2001/05/18
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 32人 クリック: 373回
- この商品を含むブログ (391件) を見る
そのため、ボトルネックの使い方をどう最適化するかが大きな課題になる。まずは、ボトルネックの時間を無駄にしないようにすることだ。次のポイントだが、ボトルネックでは、今日スループットにつながるものだけを作るということだ。半年後や一年後にスループットになるものは、今日作ってはいけない。そうすれば、ボトルネックの能力を増やすことができる。
感想
小説仕立てで話が進んで行き、その中で伝えたい概念が説明されているため、楽しく読み進めることができた。実際、552ページもある本なんだけど、2日で読み終えた。ボトルネックに対する考え方は納得させられたし、工場がどんどん改善していく様子を見ていくのは面白かった。
ただ、現代において、この考えを取り入れていない工場はないだろう。原作は20年以上前に書かれているので、それまでの間に浸透してしまい、当たり前のものになってしまった、というのもあるんだろう。それに最近では、トヨタの「カンバン方式」というのが製造業において最も評価されている。「ザ・ゴール」で構築された方法以上のものが提唱されているわけで、やっぱり技術の進歩というのは早く、世界中で評価されている本であっても多少古くなってしまえばその価値は色褪せていくんだろう。どんどん提唱される新モデルを最先端で受け取って実践していかないことには差別化していくのは難しいということなのだろうか。常に改善していく仕組みや思想が大事ってことなんだろうなあ。僕もいつまでも古典的名作を読むのに精一杯になっているのではなく、早く時代の先端に追いつきたい。そのときには、玉石混交の手法の中から真に意味のあるものを掬い取る取捨選択の能力が要求されてくるんだろう。それもまた面白そうだ。