問題解決力をつける
- 作者: 小林裕
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 1996/11
- メディア: 単行本
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
問題というものは多面的なものであって、自分が主張する対策は、問題の多くの側面の一面だけをとらえたものであるかも知れないからだ。問題はあらゆる角度から事実を中心に検討し、その上で初めて対策を考えるべきである。事実認識をおろそかにした対策は、対策ではなく単なる思い付きにすぎない。
対策の選択には、選択者の立場から来る情報量の違い、権限の違いが大いに影響する。しかし対策ではなく問題点から入っていけば、対策案が上司から、立場の違いで否定されたとしても、事実としての問題点までが葬り去られてしまうことは避けることができる。
復元型問題の場合は、事実の把握、問題の定義を出発点として問題点を掘り下げるということは、ご理解いただいたと思うが、未来型問題の出発点は何であろうか。ひとことで言えば「あるべき姿を描く」ことである。つまり、ビジョンや理想の設定から始まるのだ。したがって、事実の把握の仕方といった問題解決技法に直接関わることよりも、「ものの見方、考え方」や「先を見通す力」が決め手になる。
・将来の夢(ビジョン)を描く
・環境分析を通して、これからの世の中の変化を見つける
・原理・原則から、論理的にあるべき姿を考える
・真の顧客満足は何かを考える
・効果性と効率を上げる余地を考える
とにかく、変化を読み、先を読んで、環境への適応を図るべく今から準備しなければならない。つまり、問題が起きてから対処するのではなく、成長あるいはより良い生活のために、自ら未来型問題を積極的に見つけ、課題を設定していくことが重要になっている。