40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

V字回復の経営

不振事業の症状30
ダメ会社ほど開発テーマが多すぎる。全部やり切れるはずもないのに上層部があれもこれもとテーマを増やすので、どれもはかばかしく進まない状態になる。
そうなる理由は三つある。まず第一は、会社に明確な「戦略」がない。そのため、開発テーマをふるい分ける基本思想がハッキリ打ち出されない。第二に、戦略がないので時間軸が甘くなる。開発をダラダラ続けていても、まずいと思わない。第三に、そういう会社では、開発の意志決定者が誰だかよく分からなくなっている。戦略を決める人がハッキリしないのと同じ病気だね。


不振事業の症状31
開発陣が「顧客メリットの構造」「顧客の購買ロジック」を完全に把握していない。


不振事業の症状35
本社→支店→営業マンは実質的に「何を売ってもいい」の関係。本社の商品戦略は顧客接点まで届いていない。成り立っていない。


問題点の抽出
・新商品の狙いが不明確。いつも競合の後追い。
・勝負すべきことへの資源投入がいつも中途半端。
・会社の「商品戦略」が営業マンまで伝わっていない。
・競合企業の戦略がよく分かっていない。
・戦略がないから、負け戦の自覚もない。
・目先の売り上げの数字作りばかりにとらわれている。


感想
こういう、どん底から這い上がる物語は熱くなるし、感動するね。うちの会社はなまじ売り上げやシェアを伸ばしているから、抜本改革をしようという意識が湧いてこないんだろうな。
でも、いつまでも続けられる事業ではない。そうなったとき、うちの会社にはあとを継ぐべき事業が何も育っていない。そうなる前に決めなくちゃいけないのに。社長によるビジョンは聞いたけど、それを実現するための具体的なアクションは何も提示されていない。少なくとも、社員に浸透してはいない。研究開発という、最も先を見据えて進まなければいけない部門においてこれなんだから、他部門が分かっているはずもないだろう。

批判ばかりしていても仕方ないし、テーマをなくすならば何をやるんだ、ってことが問題になるのも分かっている。そういう大きな絵を描いて承認してもらえる度量がこの部署にあるといいなあ。そのためにも、一度全体構想を検討してみるのも面白いかもな。戦略を検討することの意義くらいは理解してくれたら嬉しいなあ。そうなれば、テーマとの両立でもいいからそのプロジェクトに取り組んでみたい。
こういう、熱くなるための本は定期的に読んで、モチベーションを補充しないと駄目だな。すぐに醒めちゃうから。