40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか

本書の主張は、三位一体の事業経営がなされるべきだというものです。現代は、技術だけで勝つ時代ではないのです。それは過去の話なのです。今は、強い将軍と兵(技術力)を使いこなす軍師(ビジネスモデルと知財マネジメント)の時代に世界は移行していることに気がつかなければいけません。
三位一体の一つ目は、製品の特徴(アーキテクチャー)に応じた急所技術の見極めとその研究開発。
二つ目は、どこまでを独自技術としてブラックボックス化したり、あるいは特許を取ったり、さらにはどこから標準化してオープンに周囲に使わせるかという知財マネジメント。
三つ目は、それらを前提にして、一方で市場拡大、他方で収益確保とを両立させる、あるいは独自技術の開発と、それを中間財などを介した国際斜形分業によって普及するという市場浸透を図るビジネスモデルの構築。
このように研究開発戦略と知財戦略と事業戦略が三位一体で適切に行なわれることが「勝利の方程式」であり、それがうまく行なえなかったときには「惨敗の方程式」が待っているのです。


現在はイノベーションモデルが従来のものとまったく変わってしまったということです。つまり、従来の「インベンション(発明)=イノベーション(新価値の創出)」というモデルはすでに過去のものになり、「イノベーション=発明×普及定着」となったのです。


感想
技術力の高い日本がなぜ世界市場で負けているのか、その理由をよく理解することができた。開発力がないわけではない、それをうまく活かす方法を知らないのだ。発想力に乏しく、研究開発職に向いていないのではないかと思っている自分の今の状況において、普及を促すための方策を考える、というのは僕にできる、僕にこそできる領域なのではないか。

色々な知識を集める力、知識を統合する力、俯瞰する力、将来を見通す力。この部署を引っ張っていくために今後僕がどういう能力を磨いていくべきかの指針にもできそうだ。代替の利かない唯一の戦力となって、他者に必要とされる・頼りにされる存在になりたい。そのために何をすべきなのか。有効性を良く判断し、意味のある決定を下して行動していきたい。
そして、イノベーションモデルが変わっているのに旧来のままの方法で突き進むような愚かな振る舞いはせず、本や他者や世界から色々なことを学んで吸収して自分を変えていける、成長していける人間でありたい。