40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

メイカーズ 21世紀の産業革命が始まる

MAKERS 21世紀の産業革命が始まる

MAKERS 21世紀の産業革命が始まる

今日のメイカームーブメントは、1985年のパーソナル・コンピュータ革命と同じ位置にいる。
究極の経済的インパクトが感じられるようになるのは、ソフトウェアによって様変わりしたサービスの分野ではなく、二度の産業革命と同じ領域、すなわちもの作りの世界が変わったときだろう。それは製造業を民主化し、その能力を増幅することではじめて、「産業」革命となる。


製造業の未来
・頭のいいクリエイティブな人たちが、ごまんと存在するちっぽけなビジネスチャンスを発見し、そこでうまく儲ける。参入障壁が低く、イノベーションは速く、起業家精神の高いモデル。
・現在のウェブにより近い形。商売っ気がなく、まったく儲ける気のない素人がコンテンツの大半を作る世界。ビジネスを築くことよりも自己の充足−自分が使うためのものを作ること−を目的とするものになる。アトムの世界の多くの部分が、ビットの世界の大半と同じく無料になる。



感想
本「フリー」の著者による最新本。ネットの普及・テクノロジーの進歩により情報量は増大し、一つ一つの情報の価値はゼロに近づいてきた。その変化はビットの世界に留まらず、今後はアトムの世界にも及ぶ。オープンソースはアトムの世界でも進む。それを成し遂げるのが3Dプリンター、とのこと。


3Dプリンターの技術は素晴らしいし、今後どんどん発展進化していくだろう。ただ、そのインパクトが情報世界への影響以上のものになるといわれると、ちょっと半信半疑かなあ。3Dプリンターによって流通のコストがなくなったとしても、素材のコストはかかるわけで、ゼロには出来ない。量産品なら今までの作り方のほうが安いし入手も容易だと思うんだけど、そうではない自分だけの一点モノの需要ってどれだけあるのか。モノの大きさの問題もありそう。そもそも、モノなんてそんなに多く持ちたくないんだけど。


まあこれは、シンプルライフを好む僕の特殊事情でもあるんだけどさ。それに、今の時点から未来をイメージするのは難しいからな。こんなことを言っておきながら、数年後には3Dプリンターを便利に使っているなんてことも、大いにありえそうだし。だから否定的なことを言うつもりはないし、そういう世界が来るなら来るで、面白そうではある。


ただ、モノの世界でもオープンソースが広がり、何でもかんでも無料に近づいてくると、特別な才能の無い一般人が稼ぐのはますます難しい世界になりそうだなあ。使うお金も少なくなるのかもしれないけど、絶対に必要な部分ってのはあるからな。ジリ貧。
人類はこれまでも、テクノロジーの進歩によって既存の業態を破壊し、新しいものを生み出してきた。だから今の流れも、何とかなるんだろう。多分。まあ僕としては、相対的レベルは下がっても、絶対的レベルが保てればそれで十分なんだけど。