40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

ブラック・スワン−不確実性とリスクの本質−上

私たちの頭は説明を作るとても良く出来た機械だ。ほとんど何でもつじつまを合わせられるし、ありとあらゆる現象に山ほど説明をつけられる。その一方で、予測なんかできないという考えはほとんど受け容れられない。

人間には追認バイアスが備わっている。何かの法則があれば、その法則が当てはまる例ばかりを見て、その法則への確信を強めていく。そして否定する例には目を向けない。物事が真実かそうでないかを見極めるためには、「反証可能性」が使える。ある推定を行なったなら、その推定の裏づけとなる例ではなく、推定が間違っていることを示す事例を探す。

意思決定するときの方針は、結果の期待値そのものよりも結果がとりうる範囲のほうで決まるのである。遠くへ旅行に行くとき、行き先の平均気温は同じ20℃だとしても、誤差率の期待値は40℃だと言われた場合と、誤差はたったのプラスマイナス5℃だと言われた場合では、準備していく服装がまったく違うだろう。


感想
Amazonでも長いことベストセラー入りしていたので存在は知っていたんだけど、なかなか手が出なかった本。小難しそうだったので。経済学の話だと思っていたのだが、正確には「不確実性とリスクの本質」についての本。語り口がちょっと馴染めないけど、なかなか面白い本だった。上下巻とボリュームある本だが、上巻を読みきった限りではそう深いことを言っているわけではない。まとめて言ってしまえば、「人間には将来を見通すことは不可能であり、予測をする際にはそれを考慮するべき。予測をする際にはその誤差範囲まで提示すべき。」ってところかな。誤差を予測することすらできない、とも言ってるんだけど。

今現在なされている予測が予測になっていないことを指摘してるんだけど、それを上回る正確な予測の方法を提示するわけではない。予測できないってのが結論だから。なので、じゃあどうしろというんだって感じで、結論がないのがちょっと消化不良な部分がある。下巻にも答えはないと思われる。ただ、予測できないことを踏まえた何らかの対処法は提示するのかもしれない。仕方ないんで下巻も読んでみることにするか。また予約すると長い時間がかかりそうだけど。

過去に学ぶべき部分と、過去に学んでも仕方ない部分がある。それらを見極め、適切に対処していかないといけないんだろうな。僕の生活に訪れうる不確実性とはなんだろうか。色々と考えてみたい。