脳に悪い7つの習慣
- 作者: 林成之
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/09/30
- メディア: 新書
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理解力、思考力、記憶力―みなさんが高めたいと願っている脳の力は、どれも最初の「感情」によってそのパフォーマンスが左右されるのです。一度、マイナスのレッテルをはられた情報は、しっかり理解できず、思考が深まらず、記憶もしにくくなってしまうのです。
脳は、「できた、終わった」と思った瞬間、モチベーションを失います。まだ終わっていないのに、「出来た」と思ってしまうと、自己報酬神経群が「もうこのことは考えなくてもよい」と判断するのです。
仕事や勉強をしていて、まだ完全には終わっていないのに、「大体できた」と考えることはありませんか?これは、脳に「止まれ!」と言っているようなものなのです。自己報酬神経群の働きをうまく活用するには、物事をもう少しで達成できるというときにこそ、「ここからが本番だ」と考えることが大切です。物事を達成する人と達成しない人の脳を分けるのは、この「まだできていない部分」「完成するまでに残された工程」にこだわるかどうかなのです。
自己報酬神経系をよく動かすためには、決断・実行を早くし、達成に向かって一気に駆け上がることが必要です。一般に、「コツコツやること」「一歩一歩、着実に進めること」は、褒められこそすれ、否定されることはないでしょう。しかし、コツコツや一歩一歩には、失敗しないように慎重に進めようという「自己保存」のクセが隠れています。この「失敗しないように」という考えは、「失敗するかもしれない、失敗したらどうしよう」という考えと表裏一体のものなのです。
また、ゆっくり物事を進めていると、どうしても集中力が落ちてしまうし、完成が近づいたときには「そろそろ終わりだな」と考えてしまいます。結果的に最後までやり遂げないまま、「大体こんなところでいいだろう」と妥協してしまうことになりやすいのです。人生では「ここぞ」という勝負時があるのです。
感想
この本はかなり面白かった。Amazonランキングで長期間上位にいることは知っていたんだけど、図書館での人気が高すぎて予約する気になれず、ずっと放置してきた。最近この本を購入することで、ようやく読む機会を得ることが出来た。
「もう少しでできる」と思うと脳のパフォーマンスが落ちるとか、「コツコツ取り組む」ことは決して脳に良いことではないとか、今まで知らなかったことを知って目から鱗だ。スポーツとか絵画とかお喋りとかに取り組むようにして、脳の機能を鍛えていきたい。この本でも具体的な目標を立てることの価値が強調されていたため、来年の目標設定時に意識していきたい。