40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

「理系白書−この国を静かに支える人たち−」

理系白書 この国を静かに支える人たち (講談社文庫)

理系白書 この国を静かに支える人たち (講談社文庫)

失敗が起きる八つの要因
  関連情報の欠落による理解不足、対応力の低下等(過去の失敗知識の風化)
  俯瞰管理能力の欠如
  不十分な技術基盤
  余分な機能の管理不良
  うっかりミスを前提とした措置の欠如
  コミュニケーションギャップ(情報の途絶や不足)による理解不足や不十分な安全対策
  責任体制、情報伝達経路の不明確化による不十分な管理
  危機管理意識の欠如


トップ研究者に求められる資質は、幅広い視野と、変化に対応できる柔軟性。人材養成と並んで重要なのが、何が独創的かを見極める評価眼だ。「殻を破りたい」という意志が独創を生む。
独創的な成果を出すためには、本人が本気になること、粘り強く取り組むこと、そして、失敗を他人や条件のせいにしないことです。
閉塞感の漂う今の日本に求められるのは、財産を最大限に生かす「戦略」と、それを構築できる合理的な思考なのかもしれない。めざすのは、技術の価値を見極める眼力と事業化する統合力を併せ持つ人材。


ヒット商品の共通点
開発担当者に思い入れがあること。採算性や生産効率が下がったとしても「ここだけは譲れない」という一線を守ること。そして、それらの思いが「思い込み」ではなく、データなどの論理的な根拠に支えられていることだ。
常に消費者の好みに敏感でいることが必要だという。その際、好みを統計的に把握できれば、非常識に見える持論でも、確信を持って周囲を説得できる。
「好みの統計学」とも呼ばれる官能評価の手法や、消費者の本音をさぐる「コンジョイント分析」には、数学や情報工学の知識が必要だ。


感想
理系の地位や実態、理科離れ、研究の実態等、理系についての様々な話題について取り扱った本。正直、理系が文系に比べて冷遇されているとか言われても、今更どうしようもないからなあ。まあ読み物としては面白かったけど。
研究開発に求められる資質や失敗の予防法等は、今後において参考にできそうだったので、意識していきたい。