ヤバい経済学
- 作者: スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー,望月衛
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2007/04/27
- メディア: 単行本
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何をどうやって測るべきかを知っていれば混み入った世界もずっとわかりやすくなる。データの正しい見方を知れば、解けそうになかった難題が解決できるようになる。折り重なった混乱と矛盾を拭い去るには数字の力を駆使するのが一番だからだ。
ちょっとオーバーな言い方をすると、一つ目のリスト(試験の点数と強く相関している要因)に挙がっているのは親がどんな人かだ。二つ目のリスト(相関していない要因)に挙がっているのは親が何をするかだ。だからといって親が関係ないってことじゃない。もちろん親はものすごく重要だ。つまり、親御さんが子育ての本を手にするころにはもうぜんぜん手遅れになっている。大事なことはずっと前に決まってしまっている。あなたがどんな人で、どんな人と結婚して、どんな人生を歩んできたか、そういうことだ。
所得と名前の関係を考え、それから所得と教育の相関が強いことを考えると、親の教育水準と子供につける名前にもやっぱり強い関係が表れるのは当然だろう。
感想
「その数学が戦略を決める」って本がかなり面白かったため、そこで紹介されていた本書を読んでみた。著者も言っているけれど、この本には統一されたテーマがなく、バラバラに話が飛ぶ。なんかトリビアとか豆知識って感じで、知識が深まったっていうもんでもないかな。
でもそれぞれの話題は結構面白かった。割れ窓理論って実効性はほとんどなかったんだな。知らなかった。
力士や学校の先生については、まあそういうもんだろうな。衝撃は特にない。それよりも、教育や福祉において、過剰に市場主義を導入することは問題だ。これについては今読んでいる本の感想で考えてみたい。
「子供の試験の点数に影響するのはどんな要因か」ってのも興味深い。重要なのは何をするかではない。子供は親の背中を見て育つって言うけれど、教えたことではなく、親がどういう人間かが、子供がどういう人間になるかを左右する。確かにそうかもな。上辺だけを整えたって、子供はその本質を見ているってことなんだろう。子供を立派に導くためにも、自分自身を高めていく努力をしたい。