うらおもて人生録
- 作者: 色川武大
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1987/11/30
- メディア: 文庫
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どの道でもそうだけれども、プロはフォームが最重要なんだ。フォームというのはね、今日まで自分が、これを守ってきたからこそメシが食えてきた、そのどうしても守らなければならない核のことだな。
気力、反射神経、技、それ等の根底に、このフォームがある。まず、自分流のフォームをつくらなければならないんだがね。それは一生を通じて自分の基礎になっていくものだから、あやふやな概念で組み立てるわけにはいかないだろう。
人は誰でも、意識するしないにかかわらず、本当は、きわめてぜいたくでわがままな望みを内心に抱いているはずなんだ。もうひとつの理性でセーブしているだけで、何事によらず満足していない。この世に満足できるものなんか、本当はないはずだよ。満足しているとしたら、いいかげんのところで手を打っているんだ。
不充足というものは、ぜいたくでわがままなものでもあるけれど、同時に当然の望みでもあるはずなんだね。人は誰でも最高の生き方をするために生まれてくるんだよ。それでね、ここが大事なところなんだけど、最高のもの以外はそのものじゃないんだ。そう思った方がいい。そうなると、当然、不充足が生じるだろう。今の自分に対する不充足は、大切にしようね。将来のバネになりうるから。
感想
雀聖・阿佐田哲也が、人が生きていくうえでの魂の技術とセオリーを語った本。サイト「スゴ本」で紹介されていた本。かなり面白かった。やっぱり、何かを極めた人の言葉ってのは、重みが違うなあ。本質を掴む力があるんだろうな。だからこそ成功したんだろう。麻雀というある一つの特定の分野でも、そこを極めれば人生全般に通じる真理が得られる。というより、どんな分野だったとしても、成功するための普遍の真理があるってことなのかもな。
9勝6敗の考え方とか、フォームを保つとか、すごく参考になった。是非実践していきたい。
「満足するな。最高を目指せ。」ってのも気に入った。中途半端で妥協していては本当の幸せは得られない。常に先を、常に前を目指して突き進んでいきたい。でもそれは、最高を得なければ価値がない、ってことじゃない。最高を目指すその過程、その姿勢こそが幸せなんじゃないかと思う。全力で挑戦して、その過程を目一杯楽しんでいきたい。