40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

そうだったのか!日本現代史

そうだったのか!日本現代史

そうだったのか!日本現代史

歴史家の海野福寿は、「韓国併合は形式的適法性を有していた、つまり国際法上合法であり、日本の朝鮮支配は国際的に承認された植民地である」という認識を示した上で、次のように述べています。
「だが誤解しないでほしい。合法であることは、日本の韓国併合や植民地支配が正当であることをいささかも意味しない。当時、帝国主義諸国は、紛争解決手段としての戦争や他民族支配としての植民地支配を正当視していた。彼らの申し合わせの表現である国際法や国際慣習に照らして、適法であるというにすぎない。日本はその適法の糸をたぐって、国際的干渉を回避しながら韓国を侵略し、朝鮮民族を支配し、朝鮮の人民の奴隷状態をつくりだしたのである」


日韓基本条約は、日本語と韓国語、それに英語の3ヵ国語で文書を作成し、解釈に相違が出た場合は、英文にもとづくという、極めて異例に形式をとっていました。条文の翻訳と解釈はそれぞれの政府に委ねることで、お互いに有利な解釈を許すという「工夫」がされていたのです。双方が都合のいいように解釈できる、まさに「玉虫色」の表現だったのです。


感想
めちゃくちゃ駆け足で日本の現代史を扱っていくんだけど、あまり詳しい知識のない僕にはちょうどいい、とても興味深いものだった。安保とか日教組とかロッキード事件とか、言葉や簡単な中身は知っていたけど、その背景や事態の進展まではよく知らなかったし。
あと、日韓併合についての歴史家の海野福寿さんの言葉は、本当にその通りだよな。「侵略ではない」とか「植民地ではない」とか言う人がいるけれど、大事なのは言葉の定義ではない。正当性にしたって、当時の基準で判断するものじゃないだろう。それが及ぼした効果や意味を考えるべきだと思う。まあ、「侵略じゃない」って言う人の気持ちも分からないではないけど。認めてしまうと、これを盾にまた韓国がつけあがる、とか。他の国が認めていないのに、日本だけそれを認めては不利になる、とか。でもまあ、1965年の日韓基本条約で補償済みってのはその通りなんだから、非を認めつつ、責任は果たしたって立場を堅持することが大人の対応なんじゃないかな。
この本を読んで、とりあえず基礎となる土台はできたと思う。これを基にして、さらに深めていくなり、日本近代や世界の近現代史などに広げていくなりしていこう。