中国に立ち向かう日本、つき従う韓国
- 作者: 鈴置高史
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2013/02/21
- メディア: 単行本
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「米中対立はない」と考えているのではなく、私は韓国人はわかっていて現実から目をそらしているのだと思います。韓国の知識人に聞くとほとんどが「米中対立が激化した時のことなど、今から考えてもしょうがない」と答えます。見たくないものは見ない。だから、出たとこ勝負というわけです。
世界は地政学の時代に戻った。(そうなると)国益の追求が露骨になる。日本は近隣の国々に対して過去に比べより強い態度を見せていくだろうと思います。日本のリベラルを自任する人々は中韓と一緒になって「日本が右傾化した」と大騒ぎするでしょうが、「右傾化」という言葉を「国のことをより考える」と定義するなら、世界全体が「右傾化」していくのです。
これから日本人はもっとも不得手な時代を迎えるだろう。日本に必須なのは、中国とそのお先棒を担ぐ韓国からの挑発を淡々とはね返しながら、地力の涵養に努めること。そして、外政に知力を尽くすことだ。
高まる中国からの圧迫と韓国からの嘲りによって、日本人も自身の衰えと、国際社会の中で自分が置かれた位置に次第に気がついてきた。その新たな認識により、日本は生き残りをかけて国のかたちを大きく変えていくだろう。
感想
「朝鮮半島201Z年」の著者による最新本。といっても、本書は日経ビジネスオンラインの「早読み 深読み 朝鮮半島」の連載をまとめたものなんで、毎回読んでいる僕にとっては新しいものではなかったけど。まとめて読み、考えるための良い機会にはなった。
これからの世界は色々と力関係や情勢が動く、面白い時代になっていく。僕は自分から事態を動かすような人間じゃあないけど、動いてしまった事態の中でどのように対処するか・行動するかを考え、実行していくのは結構好きなんで。攻撃よりも防御。
まあ、そんな上手く行くようなものでもないだろうけどさ。「見たくないものは見ない」という態度を取るのではなく、冷静・客観的な視点を保ちつつ、リスクを受け入れて行動していきたい。
それにしても、地政学的な影響力ってのは本当に強いよな。「銃・病原菌・鉄」でも描かれたその影響力の強さを、また改めて認識させられた。韓国ってのはそういう国なんだというのを受け入れつつ。地政学的な点で、日本はこれからの時代を渡り合っていく力を持っている国なんだろうか、ってのがちょっと心配。環境が全てではないとしても、もしもそれに抗う必要があるんだとしたら、厳しい戦いになるだろうからなあ。まあ、まずは自分自身のことをしっかりとね。