40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

人間を幸福にしない日本というシステム

人間を幸福にしない日本というシステム (新潮OH!文庫)

人間を幸福にしない日本というシステム (新潮OH!文庫)

「シカタガナイ」というのは、ある政治的主張の表明だ。シカタガナイと言うたびに、あなたは、あなたが口にしている変革の試みは何であれすべて失敗に終わる、と言っている。つまりあなたは、変革をもたらそうとする試みはいっさい実を結ばないと考えたほうがいいと、他人に勧めている。「シカタガナイ」と言う人は、政治的な無力感を社会に広めていることになる。

よき市民であるために不可欠なのはよき情報だ。だれだって脳みそさえあればさまざまな社会事象や政治システムに関する知識を集められる。それはまた自然なおこないでもある。われわれの知識欲は生まれつきのものだ。環境とのよりよい相互作用のために、より多くの情報を生まれつき求めるものなのだ。ただ環境への無関心が習慣化したときだけ、言いかえれば「シカタガナイ」式の習慣に染まってしまったときだけ、われわれはより正確でより多い情報を求める人間本来の欲求を失うにすぎない。
日本を変えるためにあなたの小さな貢献は、日本がどんなふうに運営されているかを調べてみることから始まる。


感想
フォーリン・アフェアーズ・リポート 2010 No.1」という雑誌に掲載されていた、「日本問題―異質な制度と特異性に目を向けよ」という記事で紹介されていた日本の政治システムについての見方がかなり興味深かったため、この記事を書いた人の著書を読んでみることにした。1994年に発売された本であり、現在ではちょっと古い見方になっている部分もあるみたいだけど、今でも通用する部分も多々あり、結構参考になった。
この本では主に官僚制の弊害について取り上げられている。最近、国家公務員法改正案が審議入りしたりと、官僚主導から政治主導に持っていこうという動きが見られる。まだどうなるか分からないけど、少なくとも変えていこうというその姿勢は評価できる。改革の意思を強く持ち、最後までやり遂げてもらいたいものだ。


でも本当に問題なのは、官僚や政治家じゃなくて、彼らを批判しながら何も具体的な行動を起こさない一般の有権者、なんだろうな。もしも一般の有権者が正しい情報を集め、それを基に断固とした行動を取るようになれば、自ずと政治家だって変わらざるを得ないわけだから。その情報を得る手段が、今まではマスコミに牛耳られて誘導されている面もあったわけだけど。でもこれからの世の中はネットを駆使することにより、自分さえ望んで行動を起こせば、様々なことを知り得るようになっている。ようやく開けてきたこの機会を逃してはいけない。今はまだ小規模なこの動きを、早急に整備し広めて大きな流れにしていかなくては。自分の行動が確実に未来を変えると信じられれば、「シカタガナイ」なんて諦めることはなくなるだろう。そんな、未来に希望が持てる世の中にしていきたい。今まで僕は政治に距離を置いてきたんだけど、これからは関心を持ち、参加していかなくては。まずは主体的に情報を集め、現状の把握に努めていこう。