40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

毒舌身の上相談

毒舌 身の上相談 (集英社文庫)

毒舌 身の上相談 (集英社文庫)

素晴らしい男とは
もっと眼界を広くして、絵を見、本を読み、そして音楽を聴きして自分の趣味生活ができるように趣味を持つだけでもずっとよくなる。しかし、どうしたら素晴らしい人間なり男なりになれるかというと、秀吉が若い時に信長に仕えて草履取りになった時、「オレは日本一の草履取りになろう」と思ったことと同じ考えを持てばいいんだ。何も遠いところに目安を置いてやることなんかない。目の前の、現在の地位で日本一になることだけを心がけていれば、知らない間に、でっかく素晴らしい人間に成長していくもんだ。

「人生を知り尽す」なんてことも不可能だね。オレみたいに78になっても、まだ後が残ってる。80になったら80の人生があるじゃねえか。ヨイヨイになればヨイヨイの人生もあるはずだろうが。そんなのを知りつくせるわけがねえじゃねえか。人生なんてキリがないもんなんだ。


真の知性的な女性とは
やっぱりもって生まれた頭の良さのある女だね。よく教養というけど、教養だとか上品な趣味だとかいうものは、自分で発見し、自分で育てていかなくてはならないものだ。ただ人の受け売りじゃしょうがない。それにはやっぱり頭のいいコじゃないとダメなんだ。だからオレは、頭のいいコで、趣味というか、文化のわかるコでないといやだね。もって生まれた頭の良さで、それに深い教養を身につけるように努力するコが、一番知性的な女と言えるんじゃないかな。


感想
週刊プレイボーイに連載されていた人生相談をまとめた本。著者の今東光さんって今まで聞いたこともなかったんだけど、日経ビジネスアソシエオンラインで現在連載している島地さんの話に良く出てくるんで興味を持った。この本も、島地さんが週刊プレイボーイの編集長だった時に、今東光さんにお願いして連載してもらったものだ。
相談者からの質問に小気味良く答えていくのが面白かった。ただ、雑誌の読者層からして仕方ないんだろうけど、どうにもくだらない質問が多い。若い時分にはこんなことでも真剣に悩むものなのかもしれないけど。そういう時代を過ぎ去った身からすれば、苦笑してしまうばかり。当時の気持ちを忘れちゃったってことかなあ。いや、僕が若かった時だってこんな馬鹿なことで悩んではいなかったと思うけどな。別に見下すとかそういうつもりじゃないけど。でもまあ、ためになる、深い回答が返されることもあり、なかなか興味深く読むことができた。
「人生を知り尽くすなんて不可能」ってのはもちろん分かってるんだけど、だからといってそれに挑む気力をなくしてしまうのもつまらない。頂点を目指すその過程も面白いと思っているので、今後もめげることなく、人生を味わい尽くすべく努力していきたい。
それと、僕の求める女性像だけど、同じくらい読書家で考えるのが好きな人、とまでは言わないけれど、固くて難しい話題も含め色々な問題について、お互いに心の底にある考えを思いっきり話し合える相手を見つけたいなあ。成長を求め、変化を求め、そして楽しい人生を求めている人。そんな人、どこかにいないかなあ。