40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

不幸な国の幸福論

不幸な国の幸福論 (集英社新書)

不幸な国の幸福論 (集英社新書)

「戦前・戦中とよく似た郵政選挙の庶民心理
当時、多くの人が時代の空気に流されていったように、敗戦から六十年目の郵政選挙でも同様のことが起きていたのではないでしょうか。かつても今も、日本人の本質は変わっていない。いや、前以上に流されやすくなっていると言えるのかもしれません。流されやすさの要因の一つは、日本人というのは非常に好奇心旺盛な国民だということです。二つ目の要因は、日本人の集団主義的傾向や、「個」を主張しにくい社会にあるのでしょう。そして三つ目にして最大の要因は、「考えない」が習慣化している人が多いことだと思います。

老子 「知足者富 強行者有志」
足るを知ることが大事。でも何もせず現状にとどまっていればいいというわけではない。自分を励まし、志をもって努力を続けようと説いているのです。向上心や努力というのも、幸せに生きるうえで欠かせない鍵の一つでしょう。そして、その鍵を生かすためには、やはり前段階として、知足という言葉を胸に刻んでおく必要があるのだと思います。
足るを知らなければ、ないものねだりと向上心を取り違えて、自分の身の丈に合わない高望みをしかねません。一方、今の自分がもっているものに満足し、自分を肯定できる人は、周囲の意見やら見栄やら流行といったものに惑わされたり、人と比較して自分にないものを求めたりすることが少なくなります。それゆえ、自分の性格や能力に応じた目標を定め、今の自分にできる努力を正しい方向に積み重ねていくことができるようになる。

幸せというものについても、さまざまな情報を材料にして一度しっかりじっくり考え抜いてみてはどうでしょう。それをせず、ただあふれる情報に身を委ねていると、世間一般で言われる幸せの形に必要以上にとらわれ、振りまわされてしまいます。あるいはまた、コンプレックスや羨望から、自分の心が本当に欲しているわけではない何かに執着してしまったりする。」


感想
かなり面白い本だった。日本の住環境が日本人の性格を形成しているってのは興味深い。アメリカのような様々な人種が交わるところでは、相手を知るためにお互い主張し合うようになったともいうし、環境が人に及ぼす影響ってのは大きいよなあ。こういう、様々な要因が様々な結果を生む、それを解き明かすのは楽しいなあ。
あと、老子の言葉「知足者富 強行者有志」ってのも心に響いた。僕はこのブログで色々とやりたいことや将来の希望・渇望なんかを述べているけれど、決していつでも欠乏感や焦燥感を感じているわけではない。自分で言うのも何だけど、「足るを知る」ってのはかなり実践できていると思う。物欲は少ないし、今の生活を十分に楽しんでいる。周りに流されない「安定性」ってのはかなりのもんだと自負している。それを踏まえて、現状形成されている自分自身やそれを取り巻く環境に満足しているけれど、でも決して現状に留まろうと意固地になっているわけではなく、良い変化はどんどん受け入れ、上を目指していこうと思っている。心は安定しつつ、でもさらに向上していくためのモチベーションは保っている、というか。上を目指していこうと決めたのはここ1,2年のことなんで、今はその面が強く出ているかもしれないけど。多分どんな人生だったとしても満足できると思うんだけど、その中でもより満足できる道を模索していきたいなあ。
そのためにも、何が自分にとっての「幸せ」なのか、じっくり考えていきたい。僕は、パートナーが欲しい、自分の感情を理解してくれる、それをお互いにやり取りでき、思いやりあえる相手が欲しいと願っているが、それは感情をうまく表せないコンプレックスから執着していることではないだろうか?パートナーが出来れば当然日々の生活にはかなり制限が生じることになるが、それは自由な生活を楽しんでいる僕にとって、デメリットを上回るもの、耐え切れるものなのか?まあ、相手次第ってのもあるんだろうけどね。相手も一人の時間を大切にする人だったら問題ないのかもしれないし。なんにしても、よく考えてみよう。