40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

新ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論 2

新ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論 (2)

新ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論 (2)

シベリア抑留者は100万人を超え、そのうち40万人が死亡した。(抑留60万、死者6万の通説に対し、最近の研究によりこの数字が有力になっている)

我々の現在はその人々(A級戦犯として処刑された人々)の死体を礎石として成り立っているのである。それを知らず今の豊かな日本が初めからあると勝手に思い込み、勝手に後ろめたさを感じて、「日本は未だに戦争責任を果たしていない」などと言い出すやつらがいる。それは死者を踏みにじることを言っていると気づいているのだろうか?それらは歴史を知らない者の世迷い言にすぎない。本人は善人になったつもりなのだろう。しかし歴史に無知なその善意は、祖先を足蹴にするだけの畜生道に堕ちた所業にすぎないのである。歴史を知らない者の善意は偽善である!死者の視線を感じよ!この世界は先人たちの犠牲の上に成り立っている!!

国際法の世界では「勝者の敗者に対する復讐」「野蛮な見せしめの私刑」というのが定評のあの「東京裁判」を今もまだ否定できずに、「A級戦犯」が自明の犯罪者だと思い込んでいる奴隷脳の政治家たち・・・。本物の平和主義者ならばまず「東京裁判」を否定しなければならないはずだ!あの「東京裁判」史観から脱けられない者たちは「平和主義者」ではない!そいつらこそが勝者が敗者を裁き、見せしめの刑に処する野蛮な弱肉強食の国際社会を肯定する、「軍国主義者」なのである!


感想
やっぱりゴー宣は面白いなあ。極端な主張をしている部分もある。反対者を煽っている部分もあるだろう。だから各所から反発を招いている。でも、それらは単なる言いがかりではなく、ちゃんと証拠を基にしたものである。それに、これだけ一方向に世論が固まってしまった現状では、それを覆すためには多少強引・大袈裟にいかなければいけないという面もあるだろう。大切なのは、自分の中の意見に固執してそれに反する意見を拒絶するのではなく、謙虚・客観的な立ち位置で冷静に証拠を見ていくことだろう。もちろん、その上での決定なら尊重するが、日本人の誇りを取り戻すことは、決して不快な経験ではないだろう。もっと多くの人たちがこの事実を受け入れていくことを希望する。
「今現在の価値観で過去を裁いてはいけない」ってのは肝に銘じておかないといけないよな。当時には当時の常識・価値観があったんだから。東京裁判の際に事後法で裁いたのと同じことになってしまう。過去の出来事を批評する時には気を付けていこう。今の自分の価値観が絶対だなんて傲慢に陥らないように。
気になったのが、シベリア抑留について。前に読んだ本「昭和史 1926-1945」では、「シベリア抑留57万4538人、うち帰還47万2942人」ってなってたんだけどな。ゴー宣・戦争論2が発売されたのが2001年で、昭和史が発売されたのが2004年なんで、昭和史のほうが新しい情報を盛り込めるはずなんだけど。Wikiで調べたところ、近年、ソ連崩壊後の資料公開が進んでおり、2009年にはソ連側の資料で76万人分の抑留資料が見つかったそうだ。把握している分でそれくらいあるならば、実数はもっといそうだな。昭和史の著者は、その時点で確定している数を出すことで、推測により上積みすることを避けたんだろう。まあ、それも誠実な態度ではあるよな。でも僕はゴー宣のデータのほうを支持することにする。
これまで戦前・戦中に関する何冊かの本を読んできたことで、僕の中で知識・理解が固まってきたことを感じる。今回の本を読んでいても、すんなりと頭に入ってきたし。戦争論3も出ていることだし、もう少し関連本を読み進め、さらに固めていきたい。