「世界遺産」の真実−過剰な期待、大いなる誤解−
「世界遺産」の真実---過剰な期待、大いなる誤解 (祥伝社新書185) (祥伝社新書 185)
- 作者: 佐滝剛弘
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2009/12/01
- メディア: 新書
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世界遺産は、すべからく「危機遺産」であり、だからこそ、世界遺産に登録して守るべきなのでは?という、世界遺産の原点に立ち返ることがまず必要だと思えて仕方がないのである。
松浦晃一郎氏の後を継いで09年11月にユネスコ事務局長に就任する、ブルガリアのイリナ・ボコバ新事務局長の単独インタビューが「世界遺産制度見直し必要」という大胆な見出しとともに朝日新聞に掲載された。記事によれば、彼女は、これまでの世界遺産の成果を強調しつつも、「新たな概念と傾向を取り入れて、世界遺産の制度を根本的に見直す必要がある。登録に一喜一憂するのではなく、もっと保護に重点を置く必要がある」と語っている。
感想
先週の7月4日に、世界遺産検定一級試験を受けてきた。僕は歴史好きだし旅行も好きなんで、こういうのに興味があるんだよね。名所・遺跡の価値として、世界遺産に登録されていることが絶対の基準ってわけじゃない。それ以外にも素晴らしい場所があることは分かっている。だとしても、登録にあたって遺産価値が明確になっているし、それを来訪者に伝えるための環境が整っているし、保護の仕組みもあるし。多くの観光候補地の中から旅行先を選ぶための一定の基準になるんだよな。あと、実際に旅行に行けないとしても、海外の有名スポットを把握するためにも役に立つし。こうやって試験の機会でもないと覚えようとしないからね。
というわけで、去年末に二級の資格を取り、このたび一級に挑戦した。総勉強時間は49時間。実務には役立たない遊びの資格としては、なかなか時間をかけたほうじゃないだろうか。でも結果は芳しくなかった。この検定は、受検後にすぐ解答を配ってくれるんだけど、それで自己採点したところ、残念ながら6割に届かなかった。あれだけ勉強したのに実らなくて悔しいが、まだまだ覚えるべきことは多かったし、まあ仕方ない面もあるかな。といって、もっと時間があったとしてもこれ以上出来たとは思えないけど。次回受けるとしたら、日本の部分をもっと細かく覚えるべきだな。それにしても、2009年の登録物件とか無形文化遺産とかもっと出題しろよなあ。
まあ、これですんなり取れていたとしたら、直前で詰め込んだ記憶も急速に薄れていっただろうし、もっと時間をかけて覚えて記憶に定着させるのもいいかもな。負け惜しみだけど。
この本は、世界遺産検定の背景知識を得るために読んでみるのもいいかなあ、と思って図書館で借りた。検定に直接役立ったわけではなかったけど、なかなか面白かった。実際、資格を取るために勉強しているわけではなく、それをきっかけに世界を広げられたらなあ、というのが目的だしね。
日本国内に絞ってもまだ行ったことのない世界遺産は多いし、候補地も含めて機会を見つけて行ってみたい。今年はゴールデンウィークに屋久島に行ったけど、夏には奈良に行こうかな。ちょうど遷都1300年とか言ってるし。来年はマチュピチュに挑戦するつもり。毎年1,2個は制覇していきたいな。