40歳アリリタ(早期退職)達成者のブログ

メインは書評(自分語り)。色々と経験する中で自分の生き方が固まり、2014/11/02の記事を集大成に方針確定。2020年3月末、40歳にてアリリタ達成!

趣味は何ですか?

趣味は何ですか?

趣味は何ですか?

履歴書の趣味・特技欄に書く「ピアノと読書」について。「採用する側はおじさんたちです。おじさんの共感を得なくてはいけません。ピアノはひとりでコツコツやるものというイメージです。会社はそういうところじゃありませんからね。やはり趣味は、健康でアクティブでないといけません。本当に大切なのは趣味が何かということより、趣味を通じて働く自分を描くこと。つまり趣味で、自分を物語れるかということなんです。」

楽しいことをするのではなく、つまらなさを噛みしめる。マニアとは面白さの追求ではなく、つまらなさをじっくり味わう趣味だと思えば合点がいった。そういえば、ジョギングが趣味だという人も決して楽しそうではない。彼らもおそらく走ることが楽しいのではなく、走る苦しみを味わいたいのだろう。習い事も然り。何事もできないから面白いのであってすぐにできていまえば、必ず飽きる。習う人たちもできる楽しみより、できないもどかしさを味わおうとしているのではないだろうか。

余計なことを考えないで済む時間潰し。もともと無益である趣味の、きっとこれが基本姿勢なのである。


感想
タイトルずばり、趣味についての本。実は、趣味を持っている人が羨ましくて、自分も何か嵌れるものがないかと色々探している。
ブログのプロフィール欄には、「読書、ニコ動、カラオケ」を趣味として掲げている。これらは実際に長年続けているし、楽しんでいるし、確かに立派な趣味だ。なんだけど、あまり大きな声で言えない趣味というか。読書に関しては、楽しんでいる面ももちろんあるけれど、それ以上に情報収集や自己啓発を期して読んでいるって面が大きいからな。ブログの記事一覧を見ても、ビジネス書や歴史書が大半を占めており、周りの人と読書の楽しみを分かち合うような種類の選書じゃない。もっと分野を拡大すればいいんだけど、なかなか手が回っていない。ニコ動については、やっぱり一般には言いにくいよなあ。コアすぎて。カラオケも、歌うのはニコ動で発掘したボカロ曲やアニメ・ゲーム曲が大半だからな。「どんな歌を歌うの?」なんて突っ込まれたら答えようがないんで、あまり開示していない。
そんなわけで、もっと堂々と宣言のできる、そしてそれについてじっくりと語れる趣味がないかなあ、と。それって邪道かもしれないけど。でもそうやって探す中で、本当に嵌れて、かつ公にもできるものが見つかるなら、それはそれでいいことじゃない?と正当化してみる。
歌舞伎や文楽といった古典芸能を見に行ったり、ミュージカルやオペラ、バレエなんかも見に行った。それぞれそれなりに面白かったけど、かといって今後も継続して楽しんでいく、一生モノの趣味になるかといえば、そんなことはなさそうだし。結局、初めてのものに接したときの物珍しさや新鮮さってやつでしかないんだよなあ。最近は落語をよく聴いているが、これもいつまで持つことやら。
この本の中で、履歴書の趣味欄に「ピアノと読書」と書くことについて述べられているのを読んで笑ってしまった。僕は就職活動のとき、まさにこう書いたからな。ピアノは小学生の時ずっと習っていて、今でもそれなりに弾けるんで。まあ確かに社交性や積極性は感じられないよな。実際そうだし。こんな風に選考者がみているなんて、考えもしなかった。ちゃんと就職できて良かったよ。中には書類選考で落ちたものもあったので、これが関係してたりしたのかなあ。もちろん、これだけが原因ってわけでもなかったんだろうけど。
この本の中で扱われている趣味の数は大したことはないんだけど、趣味についての著者の見方や趣味人の趣味との関わり方がところどころで述べられており、なかなか考えさせられた。「趣味って何なんだろう?」って。ただの時間潰しなのならば、色々と試行錯誤する必要もないよな。「考えないで済む時間が欲しい」って、どんだけ人生辛いんだ?もちろん、こう思っているのは一部の人達であり、趣味については色々な考え方があるんだろうけど。こういった捉え方もあるということを知り、興味深かった。でも僕としては、やっぱり人生を充実させるのに貢献するような趣味を見つけたいところだな。
趣味探しで色々試行錯誤しているのも、また「趣味」なのかもしれない。