街場の大阪論
- 作者: 江弘毅
- 出版社/メーカー: バジリコ
- 発売日: 2009/03/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「大阪粉もの文化」、みたいな言い方でそれらが語られる時の違和感は、「現実との接点はない」ことだ。つまり祭りや縁日のにぎわいや市場の匂いや歓楽街の入り口の明るさといった「現場」が何一つ感じられずに、タコの大きさがどんなでソースが塩マヨネーズでメリケン粉にダシが入ってるとかいう「それ自体」だけに焦点が当てられるという捉えられ方が、ひどく的外れなのである。
感想
「街場の」シリーズだからってことで図書館で予約していたんだけど、著者が内田樹さんじゃなかったんでびっくりした。まあでもせっかく借りたんで読んでみる。結果、なかなか面白かった。
「街」について色々論じているんだけど、正直敷居の高さを感じてしまったなあ。「地元に密着し、お互いによく知り合い、ルールや空気を熟知してこそ本当の意味で街を知れる・楽しめる」ってことだろ?生活者と消費者の違い。まあ言いたいことは分かるんだけどさ。だからと言って、今さら街に溶け込もうとかは思わなかったな。そこを重視しないというか。そういうのは、それに価値を見出す人がやっていればいいだろう。人にはそれぞれが持つ価値観があり、それに従って幸福になれる道を模索し、行動している。
まあ、人とのコミュニケーションがそれほど得意ではないってのが大きいんだけどね。そんなにネットワークを広げられないよ。多分、昔の人たちはこういう生き方が主流だったんだろう。僕にとっては今のほうが生き易いかな。当時に生きていたら、訓練されて馴染んでいたかもしれないけど。こういう生き方があるってのが垣間見れて楽しかった。