希望の国・日本−九人の政治家と真剣勝負−
- 作者: 小林よしのり
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2010/04/28
- メディア: 単行本
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「日本としては、中国がアメリカの航空母艦を阻止するために用意した弾道ミサイルや巡航ミサイルに対抗するテクノロジーを持つことだと思います。そして中国の航空母艦が一番イヤがるのは、潜水艦に決まっている。もし原潜を持てるのであれば、それを作るのにお金と時間はどれだけかかるのかという議論をしておくべきでしょう。」
国会をさぼって選挙区に戻って、戸別訪問ばかりしていたり、選挙区の葬式に弔電を打つことが最大のプライオリティでは困る。パトリオティズムだけでも困る。天下国家を語る国会議員が必要なのだ。そうした意味からも、中選挙区制に戻すべきではないか、と思う。
感想
「軍事・軍備の知識の豊富さは、国家意識、国防意識に結びつく賞賛されるべき資質である」とのこと。まあ確かにその通りかな。右寄りとか言って印象だけで敬遠していていいものじゃないよな。深みに嵌って違う方向に向かってしまうのは避けなくてはいけないけど。力に溺れてしまわないように。
つい最近の新聞に載っていたけど、政府は平成16年に原潜保有の検討をしていたそうだ。ちゃんとそういう議論もしてくれていたってのは安心できるな。その時は時期尚早ってことで終わってしまったらしいけど。世界の状況は刻々と変わっている。一度議論しただけで満足せず、変化に合わせて即応できるようにして欲しい。
中選挙区と小選挙区について。面白い論点だったので軽くネットで調べてみたけど、中選挙区には選挙費用以外のデメリットもあるみたいだな。議員数削減や参院の役割など、どういう選挙制度が一番いいのか、大いに議論して欲しいところだ。
あれだけ批判精神旺盛な小林さんだけど、最後には政治家に希望が持てたようだ。実りある対談が出来たようで良かったのかな。でも政治家はこれまで、国民の希望を本当に満たして来れたのか?「これからは信じてくれ」と言ったとしても、その根拠はどこにある?口ではいくらでも語れる。民主党のマニフェストなんてその典型。理念を語るだけでなく、ちゃんと行動で結果を出してくれないことには満足なんて出来ない。ネット環境やテクノロジーの進展により、政治家の声は今までよりも届くようになり、国民が政治家を監視する体制や、議論の空間も整ってきている。マスコミに流されやすい傾向は変わらないままだけど。多少はその権威も薄れてきているのか?少しずつでもいいから、着実にいい方向に進んでいって欲しいなあ。