四畳半神話大系

四畳半神話大系 (角川文庫)

解説
これは手間のかかった作品である。異なる四つの物語を並行して走らせて、そこへワープロのコピー・ペースト機能を悪用してまったく同じエピソードを挟み込み、ときにはペーストしたあとでほどよく改変を加えて微妙にずらし、共通する仕掛けを各話に散らし、あるところで見せたものを別のところでは角度を変えて出現させ、四話構成を通じてようやく全貌が見渡せるように仕組んでいる。

感想
森見さんの本、3冊目。いやあ、この本も面白かったなあ！森見ワールドに嵌ってきた。今までの3作で、登場人物がちょっとずつ被っているのも良い。舞台も同じだし。他の本も読んでいきたいな。
今作の主人公はまた駄目人間になってしまった。まだ学部生だから更正の可能性はあるけど。最後に、黒髪の乙女な彼女も出来たわけだしね。駄目人間が嫌いなわけじゃないけどさ。傍から見ている分には。
本作では、大学のサークルに何を選ぶかで分岐する四つの可能性世界を描いている。並行世界ものって大好きなんだよなあ。まあ、それほどお互いに干渉してはいないんだけど。
四つの話全てに孤独の象徴としてカステラが出てくるんだけど、何度も出てくるんで無性に食べたくなってしまった。
いや、実際に食べたのである。一人でがぶがぶと。（とか言ってみる。）特に孤独を感じることもなく、美味しく頂いた。まあ、大学生程度では相手にならないくらい孤独耐性は付いているからな。全く自慢にならないけど。あと、猫ラーメンも食べてみたい。
夏休みにまた京都に行くんで、鴨川デルタってのがどんなところなのか見学したい。あと鴨川等間隔の法則も確認したい。